Q. ごんたさんからの疑問
「猫にマタタビ」という言葉があります。猫の弱点(?)を示しているのですが、以前テレビで「マタタビは猫科の動物にも有効」だとやっていた記憶があります。よくは覚えていないのですが、原因は猫科のフェロモンによく似た物質がマタタビに含まれている、というようなことだと思いますが、定かではありません。
このマタタビのように、ある特定の動物を誘引する物質が、ほかにも自然界に存在するのでしょうか?
たとえば、犬だけを誘う植物などが身近にあるのなら知りたいのです(他の動物でも構いません)。
★これは、ぜひ知りたいですね。でも、聞いた覚えがないです。(星田)
A. おやじんさんから
「猫にまたたび」の犬版は聞いたことがあります。ずいぶん前のことなので自信はありませんが、白土三平の『カムイ伝』か『カムイ外伝』に、みみずを使って犬の好きな粉を作るくだりがあったと思います。
劇画の世界のことなので、信憑性は定かではありませんが、白土氏の作品はどこか科学的で説得力があり、荒唐無稽な話とは思えませんでした。
A. kztさんから
犬に関しては、白土三平の忍者ものにしばしば出てくる「犬万(いぬまん)」がそれに相当します。
犬万の製法は、作中では「ミミズなどを天日に干し、練って発酵させたもの」などと解説されていますが、詳細は不明です。これを身体に塗ると、犬が狂喜していつまでも追ってきますので、たとえばカムイは自らに塗ってたくさんの犬とたわむれたりもできますし、逆に敵の忍者に微量の犬万を付着させて、いつまでも犬の集団に追わせたりもできます。
白土三平によれば、かのシートンも、その著書で犬万について述べているそうですが、なんという著作かは記されていません。
調べてみたところ、本の名前がやっとわかりました。
Ernest Thompson Seton
"GREAT HISTORIC ANIMALS Mainly About Wolves"
(1937)
A. アンギラスさんから
昆虫には、特定の植物に引き寄せられる例がよくあります。
キンモクセイの香りの主成分である「ガンマ・デカラクトン」は、ほとんどの昆虫にとってキライな香りなのですが「ホソヒラタアブ」というアブだけが好み、キンモクセイの受粉に一役買ってます。
余談ですが、キンモクセイが受粉しても実がならないのは、キンモクセイは雌雄異株の植物で、原産地の中国から日本に移植されたのが、ほとんど全部雄株だからです。
モンシロチョウの類は、アブラナ科の植物に含まれる「カラシ油配糖体」に引き寄せられているかのように産卵し、幼虫のエサとしています。
カラシ油配糖体は他の昆虫にとっては毒性があるので、モンシロチョウ類はエサである植物を独占できます。
同じような例は、アゲハチョウの類とミカンなど柑橘系の植物でもあります。
★他の生物の例をご存じの方は、教えてくださいね!(星田)
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