--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.927 (2011.09.20)

Q. 祐之さんからの疑問

 オーケストラが演奏するときには、奏者全員から見えるところで指揮者が指揮をしています。オーケストラに全く無知な僕でも、カラヤンと小澤征爾の名前を知っています。
 その指揮者の役割について知りたいです。
 最大の役割はリズムキープだろうけど、それだけだったら、機械でもできるはずです。
 それぞれの楽器の入るタイミング調節を図るのもあるだろうし、もしかしたら、曲の編曲の責任者でもあるんですか。
 演奏者それぞれに好かれる人格というのもあるんかなあ?
 演奏者それぞれも人間だから、気合の入りようというかモチベーションも左右しそうだしなあ。
 野球でいうと、長嶋監督の下だったら、選手は実力以上のものが出そうだもんなあ。
「89年の伝説の○○ホールでのカラヤンの指揮」とかいうCDを見かけるもんなあ。

いやいや、オーケストラに属しているくらいの人ならリズムキープは当たり前で、指揮者の仕事はリズムを崩すことかもしれないな。(星田)


A. イーハーさんから

 大体考えられてるとおりだと思いますよ。ドラマ&映画の『の○めカンタービレ』とか見るといいかもしれないですね。
 同じ曲でも、指揮者によってその曲に対する捉え方(感じ方)が違うので、間の取り方とかドコの部分でどの楽器が…etc、いろいろあるようです。当然、テンポが速くなったり遅くなったりもそれには入っているようですよ。

A. bluestarさんから

 指揮者の役割はおっしゃる通り「リズムコントロール」も大きな役目と思いますが、それだけでは複雑に絡み合う楽器の音色を表現できません。
 交響曲の第一楽章から第四楽章まで、ある部分は静かで流れるような旋律、ある所は力強い表現と、作曲者の気持ちが込められてます。演奏者は自分の担当の旋律をちゃんと演奏できますが、コンダクターがいないと、個人のリズム感が違うのでバラバラになってしまいます。また、指揮者の感性によって同じメロディーでも微妙な違いが出てきます。
 ですから、指揮者は演奏者一人一人の特徴を把握し、自分の思う通りの音が出せる奏者を選びます。
 むやみやたらにタクトを振ってるのではなく、「ここはゆっくり」「もっと強く」「すばらしい」など全身を使って奏者と会話してるのです。これはとても機械にはできないことですよね。機械には感情がありませんから。
 以上、断定的に書きましたが、あくまでも持論ですので、専門の方が見たら笑われるかもしれません。

A. ようこさんから

 個人的な意見ですが……。
 指揮者によって音楽は本当に変わります。
 ソロでは音の強弱やリズムを少々変えたり、というようなものがありますよね。オーケストラでそれぞれがそのようなことをやったら滅茶苦茶になってしまいます。でも、曲は楽譜通りに淡々と演奏すればいいというものではありません。曲への修飾を揃えて演奏者に指示するのが指揮者の役目です。
 そういう意味では「リズムをそろえる」も「リズムを崩す」も正しいかもしれませんね。

A. ごんたさんから

 私が高校生の頃の話です。私はブラスバンド部に所属しており、県のコンクールに出場したとき、ある課題曲の演奏を行うことがありました。
 他校の演奏に比べ、我々の演奏は明確に曲のテンポが速く、審査員からクレーム(?)が出たそうです。
 譜面の速度表記はAllegro(だったと思うのですが何せ古い記憶なので違っているかも知れません)となっていました。
 しかし、指揮を行っていた顧問の先生は待ってましたとばかり、
「今の感覚では確かに速いかもしれない。が、作曲された当時はこれくらいの速度を表す記号だった」
と学説を披露しクレームを突っぱねました。
 指揮者は、譜面に記載さた記号を忠実に再現するだけでなく、作曲者の気持ち、生きていた時代などの背景など様々な要素を基に独自の解釈をし、演奏に反映させるのだと思うのです。
 また、譜面は録音と違って不確定な要素が多い上、演奏形態など環境面の違いも含めれば、同じ譜面からでも全く印象の異なる曲になってしまいます、指揮者のもう一つの役割としてそれらをまとめあげ、芸術的な楽曲にする事も大切な仕事なのだと思います。

A. 寝ぼけの凡人さんから

 指揮者の役割は、知らない人は知らないようですが、実は観客の前でタクトを振ることではありません。演奏前に演奏家と一緒に練習して、指揮者の意図通りの演奏を作り上げることです。テンポや強弱、感情表現など、みっちり指揮者から注文が出されます。
 観客の前でタクトを振っているのは、リズムをとっているというよりも、この演奏を作ったのは自分だとアピールしていると考えた方がいいです。
 演奏家はもちろんタクトに合わせて演奏しますが、比率でいけば指揮者を無視しても周りから聞こえてくる音に合わせる方が重要です。

A. トンビーさんから

 カラヤンが指導したオーケストラなら、たぶん素人が指揮をしてもそれなりの演奏ができるでしょうけれど、逆に、指導していなかったオーケストラをいきなりカラヤンが指揮したとしてもよい演奏にはならないと思います。
 指揮者の仕事の大部分は練習時における指導であり、演奏会における指揮そのものはオマケみたいなものではないでしょうか。
 野球やバレーボールの監督などの仕事も似ていて、試合時の采配も重要ではありますけど、もっともっと重要なのは日常の練習時の指導ですよね。