--- 素朴な疑問集 ---
トップページへ    [素朴な疑問集 TOP]


疑問No.934 (2011.10.29)

Q. kztさんからの疑問

 今朝、自転車置場の柵を急いで越えようとして、イヤと言うほど柵でむこうずねを打ち、あまりの痛みに目から火花が出ました。
 そこでふと思ったのですけど、
「むこうずね」っておかしくありませんか? だって、ここにあるすねのことなのに、どうして「むこう」なんでしょう?
 すねの前面のことを「弁慶の泣き所」ともいいますね。これは「強力無双の巨漢、かのタフガイ弁慶ですら、すねを打つととても痛くて涙が出るほどだ」という説明を一度聞けば、ふむふむなるほどと納得しますが、むこうずねというのは、これまで納得のいく説明を受けた経験がありません。いったいどこが「むこう」なんでしょうか?

さあ、納得のいく回答は届くのか?(星田)


A. ごんたさんから

 「すね」とは大まかに言えば膝から足首までの部分を表します。
 ちょっと打っただけで猛烈に痛いのは全面だけですから、すねの前だけを「向こう脛」と呼びます。前面、つまり向かう面なのでそう呼ぶのです。

A. おせっかいさんから

 私見を投稿させて頂きます
「スネ」を辞書で調べると、「足首から膝迄の間の全部」と「ハギ」の意味があると記載されております
 一般的には「ハギ」といえば、「フクラハギ」となってしまうので、「スネ」は「フクラハギ」とは違う場所(反対側)になるから、区別するために向う「スネ」と言われるのではないでしょうか。
「向うスネ」は、骨と皮膚の間に、筋肉がほとんどないために、鍛えることができず、痛みが強く感じるものと思います

A. アンギラスさんから

 脛(すね)とは、本来、脹脛(ふくらはぎ)を含む膝からくるぶしまでの全部を指す言葉でした。
 そのことを踏まえた上で、「向かう」には「相手に向かう正面」っているという意味があり、脛の前面は相手(前)に向かっているので「向こう脛」となりました。
 同じような用例は、額に結び目を持ってくる「向こう鉢巻」がありますよね!

A. Rinさんから

「むこうずね」以外にも、「むこう傷」もありますね。「旗本退屈男」でも、「天下御免のむこうきず」っていうセリフがあるし……。
 推測にすぎませんが、「むこうずね」も「むこうきず」も、体の前側にあるので、相手と対面するとむかい合います。そこで、相手に「むかうすね」「むかう傷」だったのが発音が変化して「むかう」が「むこう」になり「むこうずね」「むこうきず」になったのではないのでしょうか。
 ここで、
「相手と向かうのなら、すねをもっと衝撃に強くするほうが戦いで有利なのに、どうしてあんなに痛いほど無防備なの?」
と思うかもしれません。それは、多くの哺乳類は四足歩行で、その場合うしろ足のすねは前足でガードされるので大丈夫だったのに、人類は備えをしないまま進化を急いでしまったのではないでしょうか。
 内蔵がつまってる腹、メスは保育に必要な乳房、オスは子孫を残す生殖器まで、大事な部分は四足歩行ならガードされてるのに、人類はすべて攻撃をうけやすい前面に露出してしまいました。すねをぶつけて痛いのもしかり。
 化学工業のはての公害、バブル経済のはての大不況、人類があとさき考えず暴走するのは二足歩行したときから始まったのでしょうか。

A. ざ〜さんから

 膝から下、足首までを医学用語で「下腿」と呼びます。この下腿全体を古い用語では、脛(はぎ)といいます。前面だけを指しているのではありません。
 この脛の、後面の筋肉が多く付いて脹らんでいる部分を「ふくらはぎ」といい、前方に向かっている面を「むこうはぎ」といいます。この「むこうはぎ」の「はぎ」の部分が新しい読みである「すね」に置き換わったものと考えています。
 最近は電子カルテのため、「ふくらはぎ」と入力すると「脹脛」と変換されます。でも、『むこうはぎ』と入力しても「向脛」とは変換されません。「むこうずね」と入力しても「向脛」ではなく、「向う脛」です。どうしてでしょうね。きっと解剖学会でそう定義したのだと思います。
 脹脛が痙攣することを「こむら返り」といいますが、「腓返り」と書きます。同じ部位なのに字が異なります。どのように区別しているのかは残念ですが知りません。
 以前は、手書きのカルテでしたので、平仮名で書いていたことが、近頃は電子カルテのために、漢字変換時にびっくりすることがよくあります。