--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.956 (2012.02.19)

Q. アンギラスさんからの疑問

「汁(しる)」という漢字を読むとき、前に○○と付くと大抵「じる」と濁りますね。

  粕汁  すまし汁  けんちん汁  潮汁  あさり汁  しじみ汁
  のっぺい汁  納豆汁  カニ汁  ダシ汁……

 思いつく限り並べてみても、全部「○○ジル」と読みます!
 しかし、
味噌汁だけ「みそシル」と濁りません。この調子で読めば「みそジル」でもいいじゃないですか!
 なぜ、「味噌」+「汁」のときだけ濁らないんですか?

「みそしる」だけ、どうして「連濁」が起こらないか?
  「すまし汁」でさえ、「連濁」が起こるのに!(星田)


A. 子沢山さんから

 回答ではありません。
 実に興味深い質問です。
 おそらく、日本語の濁音化の一般的なルールでは説明できないのではと考えています。
 ちなみに、「みそしる」とは別に、「みそじる」というものがあります。
 ただしアクセントがことなり、「みそしる」が「そ」にアクセントがあるのに対し、「みそじる」は平坦でアクセントがありません。
 この質問に便乗し、このこともあわせて、回答がいただけたら幸いです。

A. しじみさんから

 ズバリ! 「みそしる」のほうが言いやすいから……、ではないのでしょうか?

A. 半可通さんから

「味噌汁」は、なぜ「みそジル」と読まないのか?
 この質問には参りました……。今まで何故気付かなかったんだろうか? さすがにこれは説明が付きません、以下は完全に私の推測です。
 おそらくは、味噌汁だけを特別扱いしたかった人々の思いが、濁音にすることを嫌ったのではないでしょうか。
 清音の単語に何かの前置きを冠した場合に、連濁を起こす用例が多いですよね。「shiru 」の前に「○○」を付けて、「○○jiru」。「声」が「濁声(ダミゴエ)」と変化する例などを考えると、清音を主として、濁音は従の位置に来る……、そういう感覚を抱きませんか?
 さて「味噌汁」についてですが、味噌汁は毎朝の定番ですよね。
 毎朝どころか、私は中学の頃1日に4食くらい味噌汁をすすってた記憶があります。
 別名で「御々々付け(おみおつけ)」とも呼ばれるのが味噌汁です。御飯の御供に付けた汁、だから「御付け」なわけですが、その上にさらに2つも「御」の字を重ねてある……、これは特別扱い以外の何物でもないでしょう。
 つまり、日本人にとっての味噌汁は、超定番の汁として欠かせない存在だということが何となく理解できます。
 そういう特別扱いが「従的濁音」の使用を嫌わせたのではないでしょうか?

つまり、味噌汁は、「味噌+汁」ではなく、「味噌汁」なんだということですね。(星田)