Q. はっちゃんからの疑問
鉛筆の触感が好きです(といいながら、いつもシャーペンを使っています)。
いつも不思議に思うのは、鉛筆の種類のことです。
HやBやHB、Fなど、小学生の「かきかた」では、6Bを使うこともあるようです。
6Hから6Bまでだと、13種類以上あると思います。
こんなに細かなラインアップにする必要があるのでしょうか? 私は、半分程度の種類数でも充分だと思うのですが……。
★固い、柔らかい、中間の3種類では、何かのときに困るのでしょうね。(星田)
A. こーすけさんから
鉛筆の種類はJISで定められています。
柔らかい方から6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9Hで、全17種類です。
Bは太くて柔らかく、Hは細くて硬いという特徴があります。
普通の筆記などには、HB、F、Hあたりが向いていて、2B〜6Bは絵画(デッサンなど)向け、2H〜6Hは一般製図(建築物などの設計製図)、7H
〜9Hは精密製図(機械などの設計製図)などに使われています。
A. 半可通さんから
まず、JISで規定されてるだけで6B〜9Hまでの17種類あるみたいです。6B〜2B、B、HB、F、H、2H〜9H、こんなに細かく分かれてるのは、それだけユーザー側の需要が細かい要求があったためだそうです。
まず、画家がデッサン用に「より柔らかく黒の発色のよい」B(ブラックの略)が好まれた。しかも、それぞれの画家の要望が様々だったので、Bのバリエーションが増えたために、ヨーロッパの規格は10Bから始まります。
Hはハードの略です。持ち歩きに強いので、外で使う土木関係者には重宝ですし、芯がチビってしまったり折れたりし難いので、受験生にもお薦めの鉛筆となるわけです。
しかし、Hの元々の需要は製図用です。細い線を正確に引きたいときに、どんなに先を細く研いでも折れ難い鉛筆が求められたので、9Hまで存在します(最近はCADがあるので、需要は少なくなってるでしょうが……)。
これらの硬さの規格を最初に決めたのは、19世紀初めのドイツの鉛筆業者ブルックマンだそうです。
その当時は画家向けのBとそのバリエーション、製図製作者向けのHとそのバリエーションという2つの区分けしかなかったみたいです(元々画家向けのBの需要の方がメインだったみたい)。
その後、BとHの中間の硬さでHBという規格が生まれ、さらにHBでは折れやすかった(当時の鉛筆製造技術上の材料純度が低かった)ためにHBより硬く、でもHよりは色の濃いF(ファーム=しっかりしたの意味)の需要も発生したらしい。
これらの鉛筆硬度は「塗膜の硬さ」を表す単位としてJISに規定されており、6B〜6Hの鉛筆を塗装面に押し付ける角度や強さ先の削り方まで詳細に規定されていますが、こういう特殊な用途も鉛筆の需要となってます。
日本の三菱鉛筆では10B〜10Hまでの22種類のラインナップを持ってるそうで、一説には世界最多バリエーションともいわれてます。
A. 半可通さんから
※「鉛筆」ではなく、「シャーペン」の話となるので回答を分けました。
現在でも画家のデッサン用は鉛筆のB系が使われます
また学童用途の書き方鉛筆は2Bが多いし、大学受験生はマークシート用にFかHを使う人が多いわけですが、全体需要としてはシャープペンシルの方が現在は圧倒的に需要が大きいです
シャーペンの最大の特徴は、研ぐ必要がなく、同じ太さの線を継続的に描ける点にあります。
特にドラフターを使って製図をする際には、Hの0.5mmと2Hの0.3mmなどを併用すると線の太さが揃うので、図面の仕上がりが綺麗になります。
また、国会中継とかを見てると時々映るのですが、国会議長席の前でせっせと議事録を書き止めてる「速記者」という人達がいます。彼等が使うのは2Bの0.6mmという特殊なシャーペンだったと記憶してます(国会内の売店に、速記者御用達の芯が売ってた記憶がある)。
また、塗膜硬度測定用のシャーペン(圧力が一定になる機構が仕組まれてる)と硬度測定用の芯のセットという需要もあるようです。
やはり特殊な作業をしてる人達には、それなりの硬さや黒さの需要があるので、鉛筆のバリエーションもそれらの需要に応じて決められてるという回答の例を幾つか上げました。
鉛筆の需要という点でも、特殊な例があるようです。
鉛筆の筆跡は数年経つとぼやけて掠れてしまうので記録用には不向きとされてますが、インクのように水でにじむ心配がないので、船の航海日誌には鉛筆が使用されると聞いたことがあります。
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