Q. しゅんちゃんからの疑問
足をいっぱい持っている虫がいますよね。正確には、「虫」の定義では、足が6本とされているようですから、足がそれ以上にあれば「節足動物」と呼ぶべきですね。
すこし湿った場所で、大きめ石をひっくり返すと、そこから足をいっぱい持っている節足動物をたくさん発見することができます。ダンゴムシやらゲジゲジやら……。
足がたくさんあるのですから、その動きを制御するのはとても大変だろうと思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
で、これがいちばん聞きたい疑問なのですが、足がたくさんあることの利点は何なのでしょう? 自分ではなかなか思いつかないのです。
★おお! そういえば、私もそれが知りたかった!(星田)
A. kamaさんから
YouTubeで、ムカデが蛇を襲っている動画があります。
http://www.youtube.com/watch?v=ooFSFR2s7Ig&feature=related
これを見るかぎり、蛇がどんなに暴れても、ムカデの足でがっちり組まれて、もう手も足も出ません(最初からありませんけど……)。
これを見ると、たくさんの足って便利。
ていうか、同じ構造のものを並べて体の組織を作るってのは、案外簡単な構造で原始生命の時代からあるんじゃないでしょうか。クモなんかよりよっぽど単純だと思います。
A. ごんたさんから
ムカデやゲジゲジの足は人間の手足のようにそれぞれに役割(物をつかむ、移動する、など)を持つことはなく、ただ進むだけの器官として単純化されているのではないかと思います(あれだけの足を独立して動かすことが出来るのなら、脳がかなり高度に発達していなければ理由がつきません)。
移動の際も前から順に波のように足を動かして進むだけで、それぞれの足の動きはロボットで再現出来る程の単純な動きしか出来ないのではないかと思われます。
足が多くある利点としては、体重を複数の足で支えるため、天井などに張り付いても落ちずにいれること、枝から枝などの離れた場所に楽に移動できることがあげられます。
また、他の動物(人も含む)にとってあの見た目は異様に映り、一種の威嚇効果もあるのではないでしょうか?
A. 賢さんから
「足がたくさんあるのですから、その動きを制御するのはとても大変だろう」という件ですが、肢が4本しかない人間の基準で見るから大変に見えるだけで、彼らにとっては大して大変ではないと思われます。
生まれつき脳に「前に進みたい」→「脚をこう動かす」、「後ろに戻りたい」→「脚をこう動かす」という回路ができているはずです。
彼らの話を聞けば、おそらく「無意識にやってるだけだし、人間にとっての『呼吸する』『歩く』と同じレベルで簡単だよ」とでも答えるのでは?
動きを見ても、前の脚から順に回転運動を行っているだけのようなものですし、たった2本の脚で重心を支えながら転ばずに歩くのに比べれば、非常に単純で安定した歩行方法だと思います。
「足がたくさんあることの利点」ですが、まず、安定性は利点ではないでしょうか。
多足の生物は構造的に全身を地面に密着させる形になりやすく、重心が低くなるため安定し、たとえば横風や重力などの影響を受けにくいはずです。 面を掴んでいる脚の数が多いので、壁や天井を這い回るのも得意のようです。
肢欠損時の行動力も優れていると思います。
節足動物は外骨格という構造上、どうしても関節でちぎれてしまう危険性があります。
たとえば昆虫だと脚を3本失ったら歩きづらくなりますが、ダンゴムシなら3本失ってもまだ11本あるのでほとんど問題なく歩き続けられます。
進化の過程として、まず多足の節足動物がいて、進化して昆虫等になっていきました。昆虫は脚を減らしましたが、多足類は脚を減らさないで現在まで生き残っています。無理をして減らす必要性のない生活なのかもしれません。
また、「「虫」の定義では、足が6本とされているようですから」とありましたが、「頭胸腹の3部位に分かれ、基本的に脚が6本」というのが「昆虫」の定義です。
虫は「水棲でない節足動物」または「獣でも鳥でも魚でもない動物」を指す慣例的な概念です。
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