--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.978 (2012.06.17)

Q. かおりさんからの疑問

 久しぶりに疑問を送ります。
 ウミガメの種類に、アカウミガメとアオウミガメがいますが、慣れない私のようなものでも、実物を見ればすぐに区別できるものなのでしょうか? 写真を見ているかぎりでは、判別する自信がありません。本当に赤、青の違いがわかるほど、色が違っているのでしょうか?
 ちなみに、浦島太郎が乗ったのはどちらのウミガメでしょうか? それともどちらとも違うのでしょうか?

海の中では違いがよくわかるけど……、なんてこともあるのかな?(星田)


A. ごんたさんから

 図鑑で見ると、アオウミガメは確かに青っぽい色ですが、アカウミガメははっきりとした赤色ではなく、赤っぽいような、どちらかと言えば赤かなと思える色で描かれています。説明にも赤褐色とありますから、ウミガメの知識が乏しい人が単体で見た場合に「これはアカウミガメだ」と判断するのは難しそうですね。
 ただ、甲羅の形や顔の形など、体色以外の点で区別が付く箇所はありますから、たとえばアオウミガメが突然変異で赤っぽい色になったとしても、アカウミガメとして扱われることはないでしょう。
 海水の色と海底の色、それぞれの色を保護色として纏う関係上、棲んでいる場所に違いがあるのではと思いますが、その辺のところは想像です。
 浦島太郎が乗ったのはどちらかでありますが、この伝説は日本各地に存在するらしく、可能性はどちらにもありそうです、竜宮城が遠いところにあるのなら、他の種類(タイマイやオサガメ)などの可能性もあります。
 何となくですが、アオウミガメの甲羅の表面はすべすべして乗りにくそうですが、アカウミガメは甲羅がごつごつしている上にふちがギザギザなので手が掛け易そうに見えるので、もし両方が迎えに来たのならアカウミガメに乗ることをおすすめします(笑)。

A. 子沢山さんから

 アカウミガメとアオウミガメの判別は、水族館などで成体をじっくり観察できれば可能です。幼体だったり、ダイビング中にすれ違った程度では難しいかもしれません。
 動物図鑑のきれいなイラストを見ると、体色はその名の通り、アカウミガメは茶色、アオウミガメは黒緑色なのですが、実物は結構個体差があります。また、体色というのは水から上げた状態ならわかりやすいのですが、薄暗い水中を泳いでいる状態で見分けるのは難しいでしょう。かおりさんが見た写真というのも、水中でのものではないでしょうか。
 むしろ両者の違いはシルエットにあります。
 アカウミガメは頭が大きく、首が太いです。そのため英語でも loggerhead(大頭、馬鹿頭)sea turtle と呼ばれています。甲羅の板1枚1枚が全体にごつごつしてつながりが悪い感じで、身体の横の甲羅のエッジがギザギザになっています。ご存知なら、怪獣ガメラの甲羅をマイルドにした感じを想像していただければいいのですが。
 アオウミガメは、頭がそれほど大きくなく、甲羅の板同士がタイル張りのようにきれいにつながった感じで、全体に丸くつるんとしており、身体の横の甲羅のエッジもスムーズです。
 さらに両者を正確に見分けるには、両目の間の額板と呼ばれる鱗の数や形を見れば一目瞭然です。アオウミガメの額板は縦長に2枚あるだけですが、アカウミガメの額版は5枚が花びらのような形に並んでいます。
 浦島太郎に出てくるウミガメですが、浜で子ども達にいじめられていたことから、これはアカウミガメのメスということになります。ウミガメは産卵以外には上陸しないので、オスは浜に来ることはありません。また、日本の本州で産卵するのはアカウミガメで、アオウミガメは小笠原諸島や南西諸島などを主な産卵場にしているからです。

須磨水族館のサイトにも、同様の疑問への回答があるそうです。(星田)