--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.987 (2012.07.22)

Q. HIDEさんからの疑問

 熱中症、話題になっていますが、昔(30年くらい前)は「水なんか飲むな」でした。「熱中症」という言葉すらならなかった。
 今は、過保護? それとも、昔も熱中症のような人がたくさんいたけど耐える人が多かった? 熱中症の人がたくさんいたけど話題にならなかっただけ?
 個人的には医学的に水分取った方がよさそうだし、自分もそのほうが楽。
 我慢が足りなくなったなのかな? 皆様いかがでしょう?

私も同様の疑問を持っていました。
 「熱中症」は場合によると命の危険もあるとのことですが、それにしても
 毎日毎日天気予報で連呼されるほどのことではないような……。


A. こみゃんさんから

 道路の舗装、森林の減少、空調の室外機の増加などで気温が上昇。夜も気温の下がりが悪いなどで熱中症は増えたように思います。
 実際に熱帯夜が増えたり、「猛暑日」という用語も新設されたりで、気温の上昇はあるみたいです。
 そういえば、クマゼミも関東地方の北の方にまで広がってきているみたいですし……。

A. 半可通さんから

 昔は「部活中は水を飲むな」といわれてましたが、今は積極的に運動中の水分補給を求められる時代。医学の進歩が我々の文化を変えるし、文化が変わることで医療の対応も変化すると考えてよいでしょう。
 たとえば、空調機器が発達してるから、部屋を密閉して過ごすことも可能になる。もし密閉された部屋で、クーラーも動かさずに過ごしたら、人は短時間で熱中症に陥ってしまいます。
 逆に、茅葺屋根で床下を高く屋根裏も高くした家屋だと、猛暑の日でも室内はそこそこ快適さが保たれるので熱中症には掛かり難い。西日を避ける葦簾や打水をする程度で充分に熱中症が予防できる。時代とともに、我々の生活環境が変わってしまってます。
 都市部のヒートアイランド現象も、現代の都会で熱中症が増えてる原因の一つに挙げられます。
 つまり、人の身体能力が変化したとか、昔の人は根性で乗り切ってたとか、そういうことではなく、現代人の生活環境では空調完備という前提条件が在って、快適な住環境を保てるようになってしまったという事情があります。
 さて、昔はあまり聞いた憶えのない「熱中症による死亡」などという死亡原因。それについては多分以下のような事情ではないでしょうか?(済みません、個人的な憶測で裏付けは全くありません)
 数十年前まで、年長者の口から
「○○さんトコの婆さんが亡くなったそうだ……。最近は暑かったからなァ」
みたいな話はよく聞かされてました。
 そういう場合、私の周辺では「老衰」とか「心臓麻痺」などと死因が呼ばれてましたが、何となく「暑い時期にはお年寄りが亡くなることが多い」という概念は皆持ってたと思います(私の生まれ育った地域だけでしょうか?)。
 また鍛冶屋とか製鉄所、あるいは炭鉱などのような特殊環境で「熱射病」と呼ばれる症状を予防するために、水分補給が必要という考え方は随分前からあったと思います。
 この二つの現象が医学的に同じメカニズムで起こるということが確認されて、それまでは老衰とか心不全と思われてた死因も見直されたのではないでしょうか?
 医学が進歩すると、それまでは自然死だと思われてたことも「予防可能なんだ」とわかり、「熱中症にご注意ください」と天気予報でも伝えられるようになったのではないでしょうか?

A. とらちゃんから

 私も以前からまったく同じ疑問を持っておりました。
 私(50歳)が中学・高校のころ、サッカーをしておりましたが、当然、水は飲ませてもらえず、顔を洗うふりをして喉を潤していました。それでも「熱中症」で倒れたなど周りに誰もいませんでした。
 確かに近年の気温上昇は異常でしょうが、それでもあれだけの運動をして、水分を絶ったのならそれなりのダメージがあって当然だと思います。しかし誰も(あまりかな)倒れなかった。
 これは、半可通さんがおっしゃる「現代人の生活環境では空調完備という前提条件が在って、快適な住環境を保てるようになってしまった」に尽きると思います。
 当時はエアコン(クーラーと言っていたと思います)が高級品で普及率が低く、設置されている施設も少なく、家庭にあっても「電気がもったいない」と稼働時間も自然と制限されていました。
 それが、空調完備が当たり前になれば、体がそれに慣れ、気温差によって相当のダメージを受けるのも当然で、限界を超えれば熱中症になるのでしょう。その限界が低くなって熱中症が増えただけのことだと思います。
 我が家(80歳の母、私、妻、小学2年、5歳、3歳の5人家族です)では、扇風機は使いますがエアコンは全く使いません。夏はもちろん暑いですが、春からいきなり36度にはなりませんから、季節とともに体が慣れます。
「暑いですね〜」とおっしゃるほとんどの方はエアコンの恩恵を受けて、快適な時間を多く過ごしているはずですが、わずかな移動時など外に出れば温度差10度以上の過酷な環境におかけれるのですから体がついていかないですよね。
 冷やすために化石燃料を燃やし、熱を発生させて電気を作っている私たちの生活。そろそろ、「早い」「便利」「快適」な生活をダウングレードすることも考えたほうがよい時期かもしれないと思う今日このごろです。