--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.992 (2012.08.26)

Q. Isaoさんからの疑問

 今年の夏は暑かったですね(まだ残暑厳しいですが^_^;)。
 特に私の住む鳥取県は、何度も全国でいちばん高い気温の日があって話題になりました。
 私が子どもの頃は、暑い夏と言ってもせいぜい30℃ちょっとくらいだった記憶がありますが、ここ近年、平気で38℃を超えたりしますよね。
 そこで子どもの頃からの疑問なんですが……。
 気温が38℃ってのはかなり暑いですが、お風呂のお湯が38℃ってかなりぬるいですよね?
 たとえば気温が38℃のとき、38℃のお湯に入るとホっとします。
 あれ、気温とお湯は一緒にしちゃいけないんでしょうけど、「暑い」と「熱い」の違いなのでしょうか?
 小学校のときに先生に聞いてみたんですが、数日たって返ってきた答えは小学生にとって納得のいくものではありませんでした。
 どなたか明確な説明をしてください。

もしかして、鳥取では、今年38℃があったのですか?


A. やまおさんから

「気温」とは、百葉箱の中の温度です。
 百葉箱は、よろい戸で囲って風通しをよくし、白く塗って日光を反射させています。
 だから、気温が38℃の場合、実際の温度は38℃以上あります。お風呂のお湯が38℃の場合は、実際の温度も38℃です。気温の38℃が、お湯の38℃より暑いのは当然です。
 実際の温度を測定して、それを気温として発表すれば、同じ38℃なのに暑さが違うという矛盾は起きません。

A. たっちゃんさんから

 人間は生体活動をして、熱(42度以上)を発生しています。常に冷やし続け体温を一定以下にしておかないと組織は破壊されます。
 体を冷やすために、血液が体を循環して(体表から)熱を放出します。体表部分の空気は体温以上になるので、風が吹いたり空気が動かないと熱く感じます。
 お湯の中でも同様に体表部分のお湯は体温以上になりますが、空気よりも熱を伝えやすいので38度ぐらいなら熱は逃げていきます。
 カイロは体温より高いのでを長時間同じ処に当てていると低温火傷をします。
 お風呂も長時間浸かってるとのぼせます。

A. Hoshiyanさんから

 この問題は、実は難問ですね。
 まず、暑さ・寒さを感じるのは、皮膚の温度(以下皮膚温)と外部の温度の差ということが前提にあります。気温が38℃もあると発汗して気化熱が奪われることにより、皮温度が下がります。結果、外部の気温と皮膚温の差が大きくなり、暑く感じることになります。
 他方、38℃の風呂は、湯(水)の熱伝導率が高いことや熱容量(水は空気の3500倍)が大きいことから、すぐに皮膚温は38℃になります。これにより、皮膚温と外部の温度の差がなくなり、熱さを感じません。
 この他に、空気は熱伝導率が低いので、皮膚と周りの温度が近い、もしくはそれより高いと熱放射が起こらず、体温を上げるため暑いと感じるということも考えられます。
 また、心理的な側面から40℃から42℃くらいの風呂に入りなれている人は、38℃のお風呂をぬるいと感じるのかも知れません。

A. 半可通さんから

 気温とお風呂の温度、感じ方の違いはどうして起こるのかについて、いろいろと考察してみました。ど素人の考察だけに間違ってる部分も有ると思いますので、あくまで参考意見として読んで頂けたらありがたいです。
 いくつかの要因があると思います。人体の生体としての反応、流体の熱伝動、静と動などの多くの要因が絡んで、結果的に「そう感じられる」ということではないでしょうか。
 まず、気温38℃が本当に暑いといえるのかどうか?
 日本では気温38℃は猛暑と呼ばれ熱中症患者も出る気温ですが、世界中には気温40℃を越えることが連日起こる地域も存在してるし、そこに暮らす民族もいる。ただしそういう地域は湿度が低い、日本は湿度が高い、違いはそこにある。
 日本人は律儀に真夏でも服装は乱さない。そのために、服の下では結構蒸れた状態(つまり湿度が高い)。それが余計に暑さを体感させてしまう。アロハシャツに短パンの方が涼しいのは、皮膚と服の間を風が通ることで、汗が上手く蒸散してくれるからでしょう。
 つまり、暑い涼しいといった体感温度の差は、単純に「気温」だけで決められるものではなく、身体機能が持つ「体温調節機能」が巧く機能できる状況かどうかというファクタが関与してることが第一要因に挙げられます。
 次に、流体が体表面と接触してる部分で、流速があるかどうか?
 たとえば、同じ大きさの器に同温同量の水を入れて、同じ大きさ温度の氷を解かす実験をイメージしてみてください。片方の容器は水を静止させた状態、もう一方は水を攪拌したら、攪拌させた方の氷が先に解けます。
 この例からわかるように、皮膚に触れてる流体の体表面上での流速が身体に与える熱量も変わります。通常、お風呂のお湯は流速が無いかあっても非常に遅い(ジャグジー等の攪拌系お風呂では、若干低目の温度か空気を含ませることで身体への負担を抑えている)。
 第三には、身体が発する熱量の違いも体感温度に関与する点。
 身体が発する熱量は静と動で大きく違うことは容易に理解頂けると思う。入浴中は静なので、筋肉の動きで発生される熱量は少ないが、血行が促進されて新陳代謝が進み、その分でのカロリーが消費されるという非常に特殊な状況にある。その特殊な状況が体感温度の違いにも繋がってる。
 参考までに、身体を動かす状況に応じて温水プールは水温を変えてある。足腰のリハビリ用のウォークプールは34℃以上、スポーツジムの30℃(発汗目的)、市民プールの28℃、スポーツクラブの26℃(競技鍛練目的)、アスリートの競技用は24℃など。
 それ以外にも、入浴中(プールでもそうだが)は浸透圧により体内に水が入ってこようとしますので、皮膚は毛根を閉じて水の浸透を防御しようとしますが、これも水中では体感温度が低く感じられる一因ともなってると考えられる。
 温感点と呼ばれる温度を感じるセンサー細胞が皮膚の下に点在してるのだが皮下脂肪層を走る毛細血管の血流状況等で、センサー感度も変わってしまう。
 入浴時には皮下毛細血管の血流が特によくなり、温感点付近にも通常より多くの血液が届けられ、実際の湯温よりも自分の体温の方をセンシングしてしまうことが起こる。
 気温38℃の日でも、仕事せずに風通しの良い日陰でTシャツに短パンで休んでる分には、それほど暑くは感じないのかもしれません。
 気温38℃のときは、発汗を促すために毛管も開いて、温感点は体温よりも外気温を感じ易くなる。
 また、38℃のぬる目のお風呂とはいえ、長湯が過ぎると体調を崩します。
 体感温度差には時間や心理状態というファクタも含めて考える必要がありそうで、要因がこれだけ多いと明確な回答が難しいですね。