Q. はなさんからの疑問
初めて疑問を送ります。
中学生の娘から質問を受けました。
「どうして、英語の
I は、文の途中でも大文字なの?」
そのことに疑問を持った娘が「スゴイ!」と思いました。もちろん、答えることができませんでしたが……。
一体、どうして何でしょうね?
大文字と小文字を区別するなんて、日本語で言うと、ひらがなとカタカナの違いみたいなものなのでしょうか? それとも、大文字は目立たせるため?
★英語圏の人は、「私は……」という意識が強いと聞いたことがあります。
A. たかまつさんから
むかしむかし、中学校の先生に教わりました。
「 I は固有名詞だと思いなさい!」
つまり、自分にとって I は一人しか存在しないものだから。
we や you は、そのときどきで面子が変わるけれど、私にとっての
I は固有のもの。
理論的に 正しいかどうかはわかりませんが、英語超初心者にとっては、そうか〜〜〜って納得した覚えがあります。
A. edsdさんから
なぜ英語の
I は文の途中でも大文字なのか。私は、それは、「間違いを減らすため」だと思います。
同じような工夫が、別の場面でも見られます。
かつてコンピュータへの入力媒体として穿孔(7+1の孔の位置、数で文字を特定させる)された紙カードが多く使われていました。データの作成と穿孔作業を一人で行う場合は別として、作業を複数の人が共同で行う場合は、穿孔ミスを防ぐためデータの作成者と穿孔作業者との間であらかじめ似たような文字・数字は他と区別できるように工夫をしていたようです。
たとえば、
(1) 数字の1と大文字のI
(2) 数字の2と大文字のZ
(3) 数字の0と大文字のO,D等々
手書きではないのでうまく表現できませんが、(1)
には小文字のiを使い、(2) には大文字のZに鈎状の斜線をつけ、(3)
の場合は数字の0に貫通するような斜線をいれるとか、大文字のDの縦の部分に鈎状の斜線を入れる等です。
こうした流れがあり、それが疑問の元になっているように思われます。
それはともかくとして、ノーベル賞を受賞された京大の山中教授は自らの研究の成果を「IPS細胞」ではなく、「iPS細胞」とされました。これは、iPOD
のネーミングに魅力を感じておられていたからだとか。
iMAC、iPOD、iPAD、iPHONE 等アップルコンピュータの製品にはiが使われていることが多いです。もしかしたら、iは故スティーブ・ジョブス氏の好みだったのかもしれませんね。
A. うにうにさんから
諸説あるのですが、有力な説は次の通りです。
英語の1人称単数の代名詞、“ I ”を大文字で書くようになったのは、だいたい13〜14世紀ごろです。
古い英語では、「私は」という代名詞は“ic”とか“ich”と書いて、「イック」のような発音でした(同系統のドイツ語では現代でもich,
イッヒです)。それがだんだん短くなり、ただの“
i ”(発音は「イ」→後に「アイ」)になってしまいました。
ところが、これだと手書きにしたときに、小文字の“
i ”1文字だけでは他の単語に紛れてしまって目立たず、読みにくい。
そこで、大文字の“ I ”を使うようになり、それが活字で印刷するときにも広まっていったと言われています。
なお、「イギリス人は自己中心的な心理が強いからだ」という話は、よくフランス人がいうジョークだそうですが(他にも「○○人は××だ」といった国民性をネタにしたジョークがよくありますね)、もしそれが本当なら、my
とか me も大文字にしてよさそうなものです。しかしそうはなっていません。
一方で、手紙などで相手に敬意を表するために
You, Your といった書き方をすることがありますので、自己中心説は怪しいと思います。
|