--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.016 (2000.01.14)

Q. 小野さんからの疑問

 ふと疑問に思ったのですが……、「0.1」とか「0.05」を、「コンマ1」とか「コンマ05」などと言いますが、実は「コンマ」ではなく「ピリオド」ですよね? なぜ「コンマ」なのでしょう?


A. pharaohさんから

「.」のことは、ピリオド、コンマ、フルストップと読んだりします。これは形状ではなくてその機能からくる呼称ではないでしょうか。
 ピリオドとは、ある一定区間のことをさすので、英文で一センテンスを一区切りと考えればわかると思います。
 また、フルストップとは最終点のことで、これも英文で使います。特にタイピングとかだと「,」と区別するためにこういったりします。
 最後にコンマとは、単なる区切りの意味なので、数字では正数と小数の区切りという意味で用いているのではないでしょうか。
 これらはまぁ、経験的に知っていることですの責任は持てません。

なるほど、整数部分と小数部分との区切りの意味で「コンマ」と読むのか。(星田)

A. masakimさんから

 私が持っている国語辞典の中でいちばん古い平凡社の『大辞典』(1935)でコンマについて調べてみました。
「我国にて『.』即ち decimal point(英) と混同して、小数点のことをいふ」
 これによると「コンマ」は和製英語の一種のようです。そこで、コンマがいつ頃から使われたかを調べてみると、
「コンマと名く。訳して分点と云ふ」(大槻玄沢『蘭学階梯』1788)
「コンマ、又、シケイドテーケンと名く。区別標と翻す」
                      (藤林普山『蘭学経』1810)
 コンマは江戸時代から使われており、小数点を意味するオランダ語 komma からの借用語です。
 小数点をコンマで表わして「3,2」と書いてあるのを古い本で見たような覚えもありますが、確かではありません。
 なお「標準以下」の意味の「コンマ以下」は明治時代から使われています。
「零である。いやコンマ以下である」(二葉亭四迷訳『うき草』1897)

A. うにうにさんから

 フランス語やドイツ語では、小数点にコンマを用い、位取りにピリオドを用います。

「1,234」と書いてあれば「一点二三四」、
「1.234」なら「千二百三十四」

となります。
 読み方ですが、フランス語では「ヴィルギュル」、ドイツ語では「コンマ」と発音しますので、ドイツ語の言い方が日本に入ってきたものと思われます。

  例 0,3→ゼロ・ヴィルギュル・トロワ(フランス語)、
         ヌル・コンマ・ドゥライ(ドイツ語)

 ちなみに、国土地理院(戦前は陸軍の陸地測量部)の地形図の標高表記も昭和30年代までは小数点にコンマを用いており、富士山の頂上に「3776,3」などと書かれていました。これは、明治初期にわが国に近代的な地図図式(描き方の約束事を図式といいます)が導入された際、最初に手本としたのがフランス、次いでついでドイツだったためと思われます。

(注)現在発行されている地形図では,富士山の山頂の数字は「3775.7」となっていますが、カンマを使っていた頃の地形図では「3776,3」でしたので、そのように書きました。

知り合いの外国の方に尋ねましたが、やはり、ヨーロッパは「,」でした。(星田)

A. ぼんたかさんから

 うにうにさんの回答に対して、下記のようにありました。

知り合いの外国の方に尋ねましたが、やはり、ヨーロッパは「,」でした。(星田)

 ふふふっ(-_-) 星田さん、イギリスは「.」なのです。
 だから、ドイツから1マルクと0.1ペニヒ、つまり、1,001マルクを送金すると、イギリスではな〜んと1001マルクに!……なりませんね(^_^;)