--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.024 (2000.3.12)

Q. PENNYさんからの疑問

 保険会社で「○○海上火災」ってありますよね。あの「海上」ってどういう意味なんでしょうか?
 実はこの疑問の発端は、私ではなくてお友達なんです。そのお友達に、「保険会社の名前によく『海上』ってあるけど、どういう意味か知ってる?」と聞かれて、答えられなかったんです。そこで、
「こういう疑問を解決してくれるメルマガを購読してるから、質問してみる」
と約束した次第です。よろしくお願いします。


A. あんずさんから

 専門家じゃないので、真偽のほどは定かじゃありませんが、私の知ってる(思い込んでるカナ?)範囲で……。
 以前に貿易関係の仕事をしてたんですが、そのときに、よくこの「海上保険」っていう言葉が出てきました。多分、私が思うに、コンテナ船(海上)で輸出入するときに、その商品に掛ける保険のことを総称で海上保険って言っているのではないかと……。仕事でも「これ海上掛ける?」とかって言ってましたからねぇ。
 今でこそ航空便なんてのが発達してますが、昔は輸出入はすべて船便だったはず! その名残なんじゃないでしょうか?
 ――って、本当のところはどうなんでしょう? はっはっは〜っ。専門家の方いませんかねぇ〜〜〜。私も真実が知りた〜い!

A. Koujiさんから

 大航海時代以降、ヨーロッパではアジアや南北アメリカ大陸との海上貿易が活発となりましたが、儲けは大きいけれど、一度嵐で沈んだり海賊に略奪されたりすると元も子も失ってスッテンテンになる危険がありました。なんとかしたいと考えた貿易商人たちが考え出したのが、互いにお金を出し合って仲間でそのような目に遭った者を助けるというアイデアで、謂わば助け合いの「講」で、英国のロンドンが近代的海上保険の発祥地でした。その後、火災保険などもろもろの損害保険が加わって、今日のような制度に発展したものなので、「海上」の名前が残ったものです。
 ……とむかし学校で習った記憶があります。

A. まなぶさんから

 これは、船舶などを対象とした保険ですね。
 実際、近代保険の始まりであり、世界最大の保険機構でもあるイギリスのロイズ保険組合も船舶保険が始まりまです (世界中の保険会社が、この会社に再保険をかけています)。
 これは確か、17世紀頃の大航海時代、危険度と隣り合わせであった海上輸送に対して保険をかけたことから始まっていたと思いました (大量の貨物が海の藻屑と消えてしまっては大損ですからね)。
 また、日本の保険会社も、現在では自動車保険が損害保険会社の売上のトップであることは間違いないでしょうが、自動車がこれだけ普及したのは最近のことですので、それ以前は船舶が主流であったことは想像にかたくないと思います。

A. 河内のおっちゃんさんから

 損害保険会社の「海上」とは、「船舶の保険」のことだと思います。船が航海中に何らかの事故に巻き込まれるなどして、損害を受けたときに、それを補填する保険だそうです。それを「海上保険」というかどうかははっきり覚えていませんが、「海上保険」を取り扱う保険会社ということで、会社名に「海上」をつけたと思います。
 ちなみに、会社名に「海上火災」と「火災海上」の2つがあるのは、取り扱い保険の順番でそうなったそうです。「海上火災」となっているのは、東京、三井、住友の3社だけで、あとはすべて「火災海上」になっています。

A. UFUFUさんから

 我が国で損害保険が始められたのは明治12年(1879)の海上保険でした。その8年後に火災保険がはじまります。損保会社の社名が「○○海上火災」あるいは「□□火災海上」となっているのはこのためです。
 今でこそ損害保険といえば自動車保険が主流ですが、損保会社が出来た頃は海上(船舶)が輸送の最大の手段だったからです。ちなみに、損害保険を大別すると海上、火災、運輸、新種の四つがあり、自動車保険は新種に含まれます。
 蛇足ながら、東京海上火災はトーキオ・マリン(TOKIO MARINE)として海外でも有名です。

A. タミーさんから

 私も詳しい説明は苦手ですが、正解を知っています。
 これは、文字通り、「海上火災保険」を扱う会社、ということです。昔、海上(つまり、船舶で)火災が起きると、被害は大変なものでした。現在のように海上火災のための消防艇やレスキュー態勢は整っていなかったでしょうし、船自体の防災設備などもお粗末だったのでは?
 そこで、船舶での火災に備える保険を扱ったのが、「○○海上火災保険会社」というわけです。(その第1号が「東京海上」だったと記憶しています。←これは確認が取れていないので、違ったらごめんなさい。)
 今でこそさまざまな損害保険を扱い、多角的な経営を展開している損保会社ですが、本来の「海上火災保険」の名が、会社名として残っているのです。これは本当です。

A. Takashiさんから

 民間保険は大きく分けて、生命保険と損害保険とに分けられます。損害保険とは「人の生死以外を対象にする保険」と定義つけられています。
 もともと、損害保険は中世イタリアで発生した船の荷物や船自体を対象とする海上・運送保険(貿易業者のため資金貸借(金利は大きいが、船が沈没とか万一の場合には返さなくていい。冒険貸借という)であったが、利息禁止などのため保険が考えられた。)と17世紀にロンドンで発生した火災保険に起源があります。
 最近までは、損害保険会社を営むためには、どんな保険種目を営業しているかを会社名に表記しなければなりませんでした。「海上火災」あるいは「火災海上」とすることで、損害保険のあらゆる種目を販売していますということを意味していました。現在では「〇×損害保険」でもかまいません。
 損害保険は、当初の「海上」「運送」「火災」から、それ以外の「新種」保険が多くなり、その中から「自動車」が分れました。今は、保険料の収入の大部分は「自動車」で「海上」は5%以下です。盗難保険とか賠償責任保険は、「新種」保険です。
 特に我が国最古の損害保険会社は「東京海上」で、海上保険契約だけでした。このため、「東京海上火災」は、このことに誇りを持って、「海上」を先に命名しているのでしょう。