--- 素朴な疑問集 ---
トップページへ    [素朴な疑問集 TOP]


疑問No.034 (2000.5.15)

Q. bontakaさんからの疑問  http://pws.prserv.net/dondonk/

 この間、寝ていて、ふと疑問に思いました。「枕を高くして寝る」という言葉がありますが、どうして安心して寝ることを、「枕を高くして寝る」というのでしょう?
 どれくらい高くするんだろう? 確かに中国の陶器の枕は高いなぁ。昔の日本の枕も確か高かったなぁ。でも、あんまり高いと寝にくいよなぁ。高い枕だと喉に皺が寄りやすいという話もあるしなぁ。腰痛には横向きに寝るのがいちばんだというしなぁ。どうして枕が高いとよいんだろうなぁ?
 あぁ、眠れない……、だれか教えて(^_^;)


A. PENNYさんから

 その昔、日本には枕を使う習慣はなかったのですが、これだと寝込みを襲われたときに起き上がるのが遅れて危険だったそうです。
 そこで枕の登場。襲われたときに即座に起き上がれることから、枕を高くして寝る=安心と言われるようになったわけです。

A. ゆうやさんから

 幼少期に見たテレビ番組を思い出して書いていますのでうろ覚えでもうしわけないです。
 戦国時代のお殿様は敵国から送り込まれる暗殺者に寝こみを襲われないようにするために、(現在のような)枕を使わずに寝ていたらしいです。
 そもそも、昔の枕というのは今のような柔らかいものではなく、木製の肘掛けに布を巻いていたようなものでした。
 今のような枕を使うと床を歩く足音や壁・天井に潜む人の物音が聞こえづらくなるので、基本は枕なし、もしくは高さが低いものを使って寝ていたようです。
 つまり、「枕を(物理的に)高くする」ことは、暗殺される心配がないという安心感を表していたんだと思います。

A. masakimさんから

『太平記』に次のように出ています。
 「項王今咸陽に入りて枕を高くし食を安んずる事を得ましや」(巻二十八)
 「高枕して、恃(いびき)かきてぞ臥たりける」(巻二十二)
「高枕」は浄瑠璃『鑓の権三重帷子』にも
 「刀の刃に血も付けず、高枕でも暮らされず」
と出ています。
 これらから考えると、戦場などで刀を抱いて木などに寄りかかって仮眠をとるのに対して、安心して床の中で熟睡することを指すのではないでしょうか。 なお「高くして」「高」は程度の高いことを表わす修飾語でしょう。(「小耳にはさむ」の「小」が程度の低いことを表わすのと同様です)

「枕を使って寝る」=戦時ではない。安眠できる。
 「枕を高くして寝る」=「高度の安眠」ができる――ってことですね。
 他の説をご存知の方は、お知らせください。(星田)

YUSUKEさんからも、回答をいただきました。ありがとうございます。