--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.040 (2000.6.16)

Q. くろーばーさんからの疑問

 冷凍庫を開けると「ケムリ」が出てきますよね。あれは一体全体、何なんですか?
 熱い物からゆげが出るのは水分が蒸発して、それが空気で冷やされて、目に見えるってことは、知っているんですが……。


A. pharaohさんから

 あれは中から煙が出てくるのではないです。
 ドアをあけると冷凍庫の中から非常に低温な空気が流れ出ます。それに冷蔵庫の前にあった空気が冷やされて細かい水滴になって煙のように見えるのです。
 冷たい空気ですから当然下に流れますよね。だからその煙は冷凍庫から出たように見えた後、下のほうに流れていくのです。

A. egawaさんから

 冷蔵庫(冷凍庫)の扉を開けると出てくるのは、水蒸気が冷やされてできた小さい水滴の粒です。やかんの口から出てくる湯気と全く同じもので、煙ではありません。
 さて、熱いお湯から湯気が出るのはまあ良いとして、なぜ冷たい冷蔵庫から湯気が出るのでしょうか? 質問者の疑問もこの点にあるのだと思います。
 これには、水の蒸気圧というものが関連しています。詳しくは物理や地学(気象?)の教科書などを参考にしてください。
 湯気の現象を理解するのに必要なのはただ一点、
「温度の高い空気ほど水蒸気をたくさん含むことができる」
これだけです。
 さて、まずは、やかんの口の湯気から……。
 湯気が出てくるやかんの口をよく観察してください。やかんの口から湯気が直接出ているのではないことに気づくでしょうか? 口から出ている気体は無色透明で、すこし離れた位置で白い湯気に変わっていると思います。
 ここで、言葉の定義をすこし。
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 水蒸気………水の気体。無色透明。
 湯気…………小さい水滴が空中に漂っているもの。
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 さて、水蒸気と湯気の違いについてわかっていただけたものとして、やかんの口について説明しなおしますと、「やかんの口から出てきた水蒸気が、口からすこし離れた位置で湯気に変わる」と言えます。(水蒸気と湯気の違い、納得できましたか?)
 では、なぜ水蒸気が湯気に変わったのでしょうか。これを説明するのが上に書いた蒸気圧の話です。
 やかんの中の空気はかなりの高温なので、水蒸気をたっぷり含んで口から出てきます。ところが、出てきた外はほぼ室温なので、水蒸気をたくさん含むことができません。過剰な水蒸気は水(液体)に変わるしかありません。湯気とは、このときできた水が空中に漂っている状態を指すのです。
 やかんの口のすぐそばでは湯気が見えない理由は、口から出てきたばかりではまだ温度が下がっていないからです。(従って、やかんの形状によって湯気の現れ方は変わります。)
 さて、冷蔵庫の湯気の正体ですが……(長らくお待たせしました)。
 やかんと違って、水蒸気の発生源は冷蔵庫ではありません。実は、お部屋の空気にすでに水蒸気が含まれているのです。冷蔵庫の扉を開くと、この水蒸気を含んだお部屋の空気が冷蔵庫の中の冷気と混ざって冷やされます。冷やされた空気は水蒸気を含みきれなくなって、過剰な水蒸気が水に変わり湯気となるのです。
 おわかりいただけましたでしょうか? 実は空に漂う白い雲もこのような過程でできあがった水滴や氷の粒なんですね。(だから蒸気圧を地学で習うわけです。)

A. たかしさんから

 冬、外を歩いているとき、口から息をすると、すぐ息が白くなりますね。あれと同じ理屈です。
 空気は温度により、含まれる水蒸気の量に限度があり、一定以上の水蒸気は、水滴に変わります。この限界量を「飽和水蒸気量」といいます。この飽和水蒸気量は温度が高いほど多く、具体的には、摂氏温度0度を1としたら、
  −40度…… 0.02
  −20度…… 0.17
   20度…… 3.83
   40度……12.08
となります。したがって、温度の高い空気が急に冷やされたときには、その中に含まれた水蒸気が、低い温度での限界量を超えてしまうので、水滴に変わります。その水滴がケムリに見えるわけです。
 冷凍庫を開けると、まわりの暖かい空気が急に冷やされますね。だから、実際には、出てくるのでなく、そのように見えるだけです。
 また、湿度何パーセントと表示する場合は、この飽和水蒸気量を100として表わしていますので、同じ湿度50パーセントでも、温度により含まれる水蒸気量には差があります。

A. うにうにさんから

 これは室内の空気中の水蒸気が冷やされて細かい水滴となったものです。
 冷凍庫の扉を空けると、中から冷気が室内に出てきて、その結果、冷凍庫の前の気温が下がります。ところが、空気中に含むことができる水蒸気の量は温度によって決まっており、温度が下がるとあまりたくさんの水蒸気を含むことができなくなります。このため、含みきれなくなった水蒸気が空気中から「追い出され」て、水滴となるのです。
 ちなみに、霧や雲も同様で、空気が冷やされたために空気中の水蒸気が凝結して水滴(もっと冷えると氷の結晶)となって空気中に浮かんでいるものです。