--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.068 (2000.11.06)

Q. kazuさんからの疑問

 都道府県の呼び方のことなんですが、ほとんどの場合、「東京に行ってきた」とか「今度沖縄に行く」とか、「県」「都」「府」を省略して言うことが多いですが、北海道だけは、
「今度北海に行く」
なんて「道」を省略する人を聞きません。
どうして、北海道だけは「道」を省略すると、うまく通じないのでしょうか? 単に言葉の響きの問題なのでしょうか?

この質問に関連して、「どうして北海道だけ『道』なのか?」も教えていただけるとありがたいですね。きっと疑問の答と関係あると思ってます。(星田)


A. りんかず先生さんから

 北海道出身の私がお答えします。
 なぜ北海道だけ都道府県名を省略しないのか、疑問に思っている方も多いと思います。
 答えは簡単です。「北海道」は都道府県名であるだけでなく、地域名でもあるからです。
 地方名を北から順に言うと、北海道地方、東北地方、関東地方、中部地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州・沖縄地方ということになるでしょうか?
「地方」を略すと、「東北」「関東」などとなり、北海道地方の場合は「北海道」です。「北海」にはなりませんよね?
 ちなみに、なぜ「道」なのかは分かりません。いや、そもそもなぜ「道」「都」「府」「県」という言い方をするのでしょうか?
 どなたかお知りの方がいらっしゃいましたら、私にもお教えください。

A. pharaohさんから

 北海道だけでなく、西海道、南海道、東海道と全部あります。このうち、地名になっているのは北海道だけで、あとは複数の地域をさす単一の言葉です。
 なぜ省略しないのかですが、英語表記する場合、県はprefectureで、神奈川県はKanagawa prefecture となります。大阪府も県ではなく府ですがOsaka prefectureとなります。
 しかし、北海道はHokkai prefecture ではなく、Hokkaido prefecture となります。北海道庁のHPをみればわかります。
 これをまた日本語に訳すと「北海道県」「北海道府」のようになってしまいます。
 ここから考えるに、北海道はそれ自体で神奈川や千葉と同等のもので、本来ならそれに「府」や「県」をつけ行政の区画としなければならないはずですが、何らかの理由でつけなかったのでしょう。
 しかし、国の下にくる行政区画を表す言葉を「都府県」とすると、「北海道を忘れているのでは?」
となるので、他と同様、末尾の1文字を取って「道」を行政区画の記号のように使っているのではないでしょうか。
 そのため、「神奈川県」を「神奈川」というように「北海道」も「北海」と略すことができないのだろうか――という発想が生まれてきたのだと思います。
 しかし、本来、「北海道」というのは、「北海」と「道」に分離することができない単語なのです。これをたとえるなら、「神奈川」を「神名」と「川」に分けているようなものでしょうか。

A. 後藤さんから    http://nagoya.cool.ne.jp/gggyg/zakkisou/zakkisou.html

 北海道は、江戸時代に蝦夷地と言われていたが、明治2年に北海道となった。命名したのは、松浦武四郎。
 彼は蝦夷地の新しい名前の候補を六つ挙げていたが、五畿七道の東海道、南海道、西海道に相応する北海道が選ばれた。他の都府県の名前とは違う成り立ちなのである。「北海」+「道」ではなく、最初から「北海道」なのである。
 だから英語では、愛知県は Aichi prefecture であるが、北海道は Hokkaidoであって Hokkai prefecture ではない。
 したがって、「一都一道二府四十三県」というのはおかしいと思う。「一都北海道二府四十三県」か、「北海道都府県」というべきであろう。

つまり、北海道の成り立ち当初から、「北海」+「道」ではなかったので、 「北海」だけで呼ぶ人は(ほとんど)いないのですね。(星田)