| Q. tomioさんからの疑問 
             有名な芭蕉の句に「古池や 蛙とびこむ 水の音」
 があります。この飛び込んだ蛙の数って何匹なのでしょうか?
 実は、英語の俳句ってのがあるようで、この句が最初に翻訳されたときの蛙は複数だったそうです。しかし、この句の場合、蛙は一匹だと感じる日本人が多いということで、単数の「a
            frog」に修正された――という話を聞いたことがあります。
 感じる・感じないは脇に置いておいて、実際、飛び込んだ蛙の数はどれだけだったのでしょうか?
 「閑かさや 岩に染み入る 蝉の声」
 の「蝉」がどんな種類の蝉だったのか判別できるという話も聞いたことがあります。蛙の方も、分からないものでしょうか?
 
 A. ASSASSINさんから 
             これは一匹ではないでしょうか?この俳句が表現しているのは、蛙のような小動物が、池に飛び込むときの微かな音さえも聞こえるほどの「静寂な空間」です。したがって、その数が複数であれば「静寂」は破られます。
 A. 筧(かけひ)通文さんから 
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  で、弊誌では、1匹説です。この芭蕉の俳句で、frogs
            と複数で訳したのは、東京帝国大学で漱石の前任者だった小泉八雲。ちなみに、東京帝国大学の前身の、開成学校の初代英語教授は、ジョン万次郎
    Old
            pond,A frog jumps in,
 Sound of water.
  マークピーターセンの上記の英訳は、簡潔にして味わい深い。中学英語教科書に載っていたのも、ムベなるかなといったところだ。 A. りんでんばうむさんから 
             以前聞いたところでは、日本人なら自然に一匹であると分かるが、欧米人にはその感覚が分かりづらいとのこと。「ワビサビ」の世界ということでしょうか?虫の音が雑音にしか聞こえない欧米人にとっては、その静けさよりたくさんの蛙が飛び込む賑やかな音が良いと感じるようです。現代日本人もそうなってきたということでしょうか……
 だから、日本の心が分かってたといわれる小泉八雲があえて複数形にしたというのは、その意味するところは変わってしまうものの、日本語の分からない人には良かったのでは? とも思うのです
 A. tomioさんから 
            「古池や」を おたずねしたtomioですうろ覚えの 内容に 出典まで教えていただいてありがとうございました
 回答を読ませていただいて、俳句というものの、感性・美意識というようなことも考えさせられました
 ただ、何匹かということより、英文の俳句の美しさを考えることもでき、すこし賢くなった気がします
 ほんとに感性の問題ですね。「古池や」のもつ 風景も感じられた気がします。ありがとうございました
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