--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1003(2012.10.14)

Q. 洋平さんからの疑問

 節電が叫ばれています。
 本当によく分からないのですが、電気を供給する側が100の電力を送ったとします。
節電に努めた結果、そのうちの90しか使わなかったら、残りの10の電力はどこへいっちゃうのでしょうか?
 電力を貯めることはできないとよく聞きますが、それってどういう意味なんでしょうか?

そうですね。そういうことに関してイメージを持っておきたいですよね。


A. たっちゃんさんから

 厳密には違いますが、水を例に考えてみてください。
 水道管に一定以上の圧力があると、穴から水が噴き出します。穴の数や大きさが増えると圧力が下がり水の出が悪くなります。
 電気も供給の余裕がなくなると、つながれている全てが圧力不足になります。電圧がある一定以上を確保しなければ電気器具は正常に動作しません。
 余った力と考えるより、圧力を維持するための余裕力と考えてはどうです。

A. おやじんさんから

 門外漢の想像です。
 質問者さんの疑問は、100作った電気を90しか使わなかったら残りの10は?
――ということですが、実際には必要とされる電力しか作ってないのだと思います。
 よく、「明日の電力使用率○○%」などという予報を目にしますが、あれは最大供給電力に対しての数字であり、常にそれだけ発電しているわけではないと聞いたことがあります。それならば、私としてはどうやって発電量を調整しているのか、そのほうが疑問です。
「余った電力を貯めることができない」とありますがそんなことはありません。需要の少ない夜間や休日に余分に発電して、たとえば揚水発電所の発電機をモーターとして使い、下のダムから水を汲み上げて電力を位置エネルギーという形に変えて貯える方法や、最近は、小型で性能の良いリチウムイオンバッテリーなども登場してきましたから、大規模じゃなくても電気を貯められる施設などもあるようです。

A. サンディエガンさんから

 電気とは目に見えませんのでなかなかわかりにくいものです。
 一般に、物をたくさん作ると売れ残りが生じて在庫が増え、そのために価格が下がると需要が増えて在庫が整理されるという循環で、できるかぎり残り物が少なくなるサイクルが作られます。
 ところが電気は貯めておくことに莫大なお金がかかるため、電気の貯蔵設備(大きな電池ですね)は商用レベルでは設置されていません。
 一部の工場で、一瞬たりとも電気を止めたくない、止めると大損害になる。――そんな場所で大規模電池を設置しているところがありますが、電力会社には蓄電所はありません。そのため電力会社は使用量にぴったり合わせて電力を供給します。
 供給量が不足してくると電気の周波数が下がり電圧も下がってきますので、発電用タービンへ蒸気を余計に供給します。電気の供給量が多くなると周波数が上がって電圧も上がってくるので蒸気量を減らします。
 そのために電力会社では、常に一定の電力を供給するベース電力供給発電所(今までは原子力発電が担ってきました)と負荷の変動に合わせて出力を大きく変動させる発電所、負荷変動調整用発電所(ガス火力など比較的変動を簡易に行うことができる発電所)が必要です。
 太陽光発電や風力発電のような出力自体が変動するそれらの発電所は、今まで述べてきた電力の使用量と発電量を合わせる作業には大きな外乱となります。太陽光発電や風力発電の変動分をカバーする負荷変動用発電所がさらに必要になり、とても経済的とはいえません。