--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1024 (2013.02.10)

Q. やまおさんからの疑問

 インフルエンザは「かかる」、風邪は「ひく」といいます。同じような病気なのに、どうして違うのでしょうか?
 悩んでいたら、風邪を引いてしまいましたよ。
 風邪も病気なのだから「かかる」にしましょう。そのほうが、風邪の患者が少なくなるような気がしますが……。

他に「ひく」を使う病気があるかと思って考えたのですが、思いつきませんでした。


A. たっちゃんから

「病気にかかる」という表現は、比較的新しい表現だと思います。
「病気の原因物質(菌や有毒物質)が我が身に降りかかる」のような意味があったのではないかという気がします。
 風邪という病気はよく引きますし、放っておいても数日で治ることがあります。
「風邪」という漢字が示すように「ふうじゃ」。熱っぽくなったり、寒む気がしたり、風に関わる邪気が取りついたと考えたのではないでしょうか。
 それで、自分の不用心な行動が「ふうじゃをひきよせた」→「風邪をひいた」と表現したのではないでしょうか。

つまり、原因は自分にあるということで、「引き寄せた」って感じですね。

A. たか坊さんから

「ひく」の動詞的意味には「引き寄せる」といった意味があります。おそらく「かぜを引き寄せた」という、貧乏くじを引いたみたいなニュアンスで「かぜをひく」と言うようになったのかと思います。
 私としては、「かぜ」に「風邪」という字に当てるようになった謂れの方が非常に気になります。

A. よしなしごとさんから

 細菌やウイルスが発見される前の古代中国では、風邪は風に乗ってやってきた邪気が体内に入ることで体に影響が出ると考えられていたそうで、「風」と「邪気」をあわせて「風邪」になったそうです。
 その邪気を体の中に引き入れてしまうということで、「風邪をひく」という言葉になったのではないかと言われているそうです。

たか坊さんの疑問にも、お答えいただけた形ですね。

A. ごんたさんから

 昔は、病気に掛かるのは悪い気、すなわち邪気を取り込んでしまうためと考えられていたと聞いたことがあります。
 ウィルスという概念のなかった昔、ウィルスによって引き起こされる病気の全ては、邪気によって引き起こされると考えたのではないでしょうか?
 それらの病気になった場合は受け身となる「かかる」という言葉で表現したはずです。
 しかし、風邪に関しては薄着で過ごしたり眠ったりして体を冷やし、自身が抵抗力を弱めるような行いによって風邪にかかることが多い病気です。原因となる邪気を自らが呼び寄せた、邪気を体内に引き込んだ、ということで風邪は「ひく」とい能動的な言葉を使うのではないかと思うのです。
 インフルエンザというのはウィルスが発見されてからそう呼ばれる病気ですから原因がはっきりしていますので、受け身(感染)となる「かかる」を使うのではないかと思います。
「引いた」ではありませんが、食中毒などは「当たる」と言いますが、これも単なる受け身とは少し違う表現だと思います。