--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1027 (2013.02.24)

Q. 美保さんからの疑問

 先日、友人と話している中で、「今年の流行の色は、○○だから……」という内容が出てきました。
 こんな内容の話を聞くのは、一度や二度ではありません。雑誌に載っていることもあります。
 流行の色というのは、世間の動向をつかんで、有識者が「感じ取る」のだと思っていたのですが、友人は、
「いや、違う。誰かが決めているんだ!」
と言い張ります。実際はどうなのでしょうか?
 流行色は、誰かがどこかで決めているのでしょうか? 決めているのだとすれば、どうやって決めているのでしょうか?

私も、流行色は「世間が作る」と思っていましたけど、違うの?


A. きくちゃんから

 昔は私も「世間の様子を見て」判断されるものだとばかり思っていました。
 ところが、十年くらい前に「私が決めている」という人がテレビの番組のゲストとして出ていました。
 詳しいことは覚えていないので、あまり書けないのですが、
「ほんまかいな。なーんだ、商売にのせられているだけか」
と思ったことは覚えています。

A. アンギラスさんから

 ご友人が仰ってることが正解です。
「国際流行色委員会」なる18カ国の代表機関が加盟する組織があり、日本からは社団法人・日本流行色協会(JAFCA)が参加しています。
 パリで開かれる選定会議で加盟各国が提案色を出し、それぞれの国が提案した色を討議して、2年前に「インターカラー」として決定されています。

A. 取り戻すっ!(笑)さんから

 ずいぶん昔の話ですが、流行色は確か世界中のファッション業界とか産業界とか色彩学者とかが、流行らせたい年の2年前から「インターカラー」という国際的に流行色を検討するサミット的な場で検討を重ねて色とかを決めて1年半前に発表してると聞いた記憶があります。
 そこでの結果を元に日本では、「日本ファッション協会」「流行色情報センター」が流行色を発表しているそうです。
 また色を決める際は、ファッションやインテリア、自動車の色の動向、百貨店の色別売り上げ、そして政治や経済の状況などを考慮に入れ、単一色ではなく色の組み合わせとして予測するらしいです。
 そして、発表された流行色を取り入れて各種メーカーが生産計画を立てた後、それが製品となってわれわれの手元に届くのが発表の1年半後ということのようです。
 したがって、悪い言い方をすれば、メーカーなどによって2年前に予め決められた色の製品を、われわれは「流行」というキャッチフレーズに踊らされて買わされているともいえるでしょうか?
 最近ではメーカーだけではなく、マスメディアや広告代理店なども流行色を意識しているようです。
「流行は繰り返す」という話もこういったところから来ているのかもしれませんね。

A. maroさんから

「業界人」ではないので、単なる「知識」ですが……。
 確かに「流行色」は「多くの人が、その色の物(服)を身につけている」から流行色なのです。
 なぜ消費者がその流行色を身につけているか……といえば、お店でその色のモノをたくさん売っていて、お店の人が「今シーズンの流行色ですよ」って勧めるからです。
 なぜお店にその流行色がたくさん並んでいるか……といえば、メーカーが「次の流行色はこの色だから、この色のモノをたくさん仕入れれば売れますよ」って小売店に勧めるのでしょう。
 メーカーは「今度の流行色はこの色だから、この色のモノを」と、たくさん製造するのです。
 でも、たくさん製造するには、あらかじめたくさん製造するだけの「製造ライン」を確保せねばなりません。たくさん製造するだけの材料も要ります。たくさん資金が必要です。
 だから、「今度の流行色はこの色ですから、この色で、この色に合うこういうデザインのものをたくさん製造しましょう」と「製品企画」を行って、「会社としての決定」をしなければならないのです。
 で、この「製品企画」がいつ頃行われるのか……といえば、「流行」の1年から1年半前。
 つまり、今年の春には「来年秋冬の流行色は……」という話がされているのです。まだ、だれもその色を身につけていないのに。
 で、どうやって「そんなにも先の流行色」を決めているかというと、「日本流行色協会」っていう団体があります。
「日本流行色協会」は、「国際流行色委員会」に寄せられた各国の「2年後の流行色」の提案や、世の中の雰囲気(好況・不況や世相、雰囲気など)とか、「過去の流行色パターン」(何色の次には何色が流行した……)とか、デザイナーの予測や専門家へのアンケート、デパート売れ筋動向、あるいは街角ウォッチングでの調査(現在の流行があふれる中で微細な変化を読み取る)など、様々な調査から「1年半後の流行色」を予測するそうです。で、協会加盟各社に「1年半後の流行色」を発信します。各社は、「日本流行色協会」から発信された情報をもとに商品企画をするわけです。
 ということで、「流行色」は「日本流行色協会」が予測します。「予測」とはいえ、その予測をもとに各社が商品を作りますから、事実上は「決めている」と言えるでしょう。でも「予測」なので、ごくごく稀に「外れる」こともあるそうです。
 詳しくは、「日本流行色協会」のWebページ
   
http://www.jafca.org/
から、「トレンドカラー」のページを見ると、「流行色が決まるまで」という図解がありますよ。

こみゃんさん、たけ坊さんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。