Q. kztさんからの疑問
相手が虚偽を述べていて、(こいつ、うそを言ってやがるな)と、こちらがそれを看破したときに、「うそをつけ!」とか、「うそを言え!」って言いますよね。(おらおら、てめーのウソはこちとら先刻ご承知だぞ)という意味ですよね。
でも「うそをつけ」って、「虚偽を申し立てよ」という命令形です。こんな命令されても「はい、わかりました。おっしゃるようにウソを申し上げます」ってことにはなりませんから、命令に従う場合というのはないわけですが、なぜ命令形なんでしょうか。
相手がてきとうなことをほざいているときに「こら、馬鹿も休み休み言え」というのも命令形ですが、「はい、わかりました。おっしゃるように馬鹿を休み休み申し上げます」ってことにはなりません。
他にもあると思いますが、こういうのって、なんで命令形で言うんでしょうか?
従うことがありえない命令なのに。
★こういうのって、案外、深い意味があったりするものです。
A. 子沢山さんから
「嘘をつけ」の意味するところは、相手が嘘をついたことを非難しているものであることは明白ですが、なぜこのような意味になるかについては大きく二説あります。
一つは、この「つけ」が命令形であるという考え方です。
つまり、「嘘をつけるものならついてみろ」というようなニュアンスで、相手を非難しているというものです。ですが、嘘をつく前ならまだしも、すでにつかれてしまってからこの台詞を吐いても、何かつじつまが合わない印象があります。
もう一つは、古典文法のようになりますが、この「つけ」は已然形であるという考え方です。
「つく」の活用は文語では四段活用になり、已然形と命令形は同じ形になります。已然形の意味するところは、英語でいう完了形のようなもので、「すでにした」、「すでになった」ということです。すると、「嘘をつけ」は、「すでに嘘をついた」という意味になり、「今、嘘をついたな」というニュアンスから、相手を非難していると解釈できるわけです。
★う〜ん、難しい!(星田)
A. 音橋彼哉さんから
命令形には、「命令形の放任用法」というものであるそうです。
「嘘をつけ」というのは、「そんなわかりやすい嘘をつくなら勝手についていればいい。」と突き放したものではないでしょうか?
同様に「馬鹿をいえ」は「馬鹿なことを言っているのはわかっているから、いくらでもいえ」というニュアンスだと思います。
ですから、
嘘をつくな
→嘘をついてもわかっている
→すきなだけ嘘を言っていればいい
→嘘つけ
となったのだと思います。
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