--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1049(2013.07.02)

Q. kztさんからの疑問

 養蜂に関する疑問です。
 ミツバチは、せっかく苦労して集めたハチミツを人間に大量に搾取されて、困らないのでしょうか?
 幼虫や女王蜂や、働き蜂自身の大事な食料のはずですから、食糧不足となって困ると思うのです。困ったら、人間に対して怒りが湧いてくると思うのですが……。
 人間に搾取されてもとくだん困らないとしたら、人間が搾取しないぶんだけ、自然状態の巣では逆にハチミツが生産過剰となり、余ってしまうのではないでしょうか?

おお! 確かに不思議です。
 もしかして、搾取されていることに気がついていないとか?


A. 宇美浜りんさんから

 ミツバチの蜜をエサにしているのは、クマなど他の動物もいますので、人間が搾取するより以前から、必要な量より多くの蜜を蓄えるようになっていたのでしょう。
 基本的に自然界では、卵や木の実などは、子孫を残せる最低限度の量より多く生産されています。それが他の生物のエサとなりその生物も何らかの形で役に立っている、それが自然のしくみです。
 次に、人間に飼われている場合、よい蜜を採取できる花がある場所に養蜂家が誘導するため、自然界のハチよりもたくさんの蜜が作れる、その分の蜜を人間が取るのなら、バランスがとれるはずです。
 牛だって質のいい牛乳をたくさん出す牛は、人間から栄養のある飼料を食べさせてもらってますから。持ちつ持たれつですね。
 あと、昔の自然界には蜜を人間やクマなどに取られたら「赤字」になる集団もいたかもしれませんが、そういうハチは長い歴史で淘汰され、十分な量のハチミツを生産できる集団だけが生き残り、今のハチの祖先になったのではないかと。
 一部の企業は、さまざまな理由で、本業以外に福祉活動や慈善活動をします。それをしたら赤字になるような余裕のない企業は淘汰されるのと同じです。
 というわけで、人間に飼われているミツバチは、人間に蜜を搾取されても飢えたりはしません。自然界のハチは人間以外の天敵がいるうえ養蜂されてるハチより生産力が低いとしたら、過剰生産にはなりません。

A. Hoshiyanさんから

 ハチミツは本来、ミツバチが生活や越冬するための大切な食料だ。それを人が搾取するのだから自然界なら搾取される時期によっては、蜜蜂は越冬できず、その巣の蜜蜂は絶滅ということもあるだろう。しかし、人はおよそ5000年前頃から養蜂を始め、蜜蜂と互いに利益を得ることができる相利共生の関係を構築したと思える。
 一般にミツバチは生活や越冬に必要な量以上のハチミツを作って貯めるといわれる。したがって、人が配慮した一定量のハチミツを搾取してもミツバチの生存に問題はないらしい。しかし、生物は生存することに合理的、なおかつ効率的であるはずである。無駄なエネルギーを消費して不要なハチミツを生産するとは思えない。
 自然界のミツバチは寒さや天敵の鳥などに襲われて、寿命を全うするものは半分にも満たないという。人間は寒さや天敵から蜜蜂を守る。さらに養蜂家は秋を迎える時点で、蜜を集められない巣には砂糖水を与えて冬越しができるよ
うに保護する。これらの見返りとして、ミツバチは人間にハチミツを与えられるだけ生産するようになったのではないだろかと、想像する。つまりミツバチが家畜化したのだと思う。
 5000年もあれば、ミツバチはそのように生態を変化させることが可能だっただろう。何しろ彼らは1世代の期間が短く進化のチャンスを増やし、その速度を速めることで環境への適応力がずば抜けてすぐれている昆虫なのだから。