--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1050(2013.07.07)

Q. こうじさんからの疑問

 先日、何人かでソファを運んでいるときのことです。
「階段を運ぶときには、下の人の方が重い!」
 私は、上の人はソファを引き上げなければならないのだから、上の人の方が重いと思いました。
 実際にところは、どうなのでしょうか?

階段を上げるときと、下ろすときとでも、異なるかもしれませんね。


A. YOSHYさんから

 まず、二人がどのような持ち方をしようとも、荷物そのものの重量が変わらないため二人にかかる荷重の合計は等しいと思われます。
 では、荷物に傾斜ができたらどうなるか?
 極論に言うと、傾斜角ゼロでは50%ずつです。
 傾斜角90度(地面に対し垂直)になると、下の人が全重量を支えることになります。
 現実には上の人も荷物を引き上げようとしますが、たとえば30kgのものを下から押すのと、上から引き上げるのとでは下から押す方が力が入り楽だと思います。
 上から引き上げるときは30kgが35kgに感じ、下から押し上げる場合は30kgが25kgに感じたとすると、何回も往復する場合は、荷物の上を持つときの力と下から押し上げるときの力(正確には感じる重さ)が同じくなるように力を入れます。
 この長い人生で、何回か公営住宅の階段で長尺ものを持ったことがありましたが、最悪のペアは上の方に背の高い人間が担当したときです。気のせいとは思えないぐらい、重たかったです。そのとき、適当なことを言って持つ側を交代したときかなり楽に感じたことを覚えています。
 また、下を持っていて疲れてきたときには、荷物を通常持つ位置より下の方を持つか、持ち手側から言うと体の上の方で持つ(結果的に傾斜角を緩和する持ち方にする)と楽になったような気がします。
 以上のことを、物理学で説明しようとしましたが、私の能力では無理でしたというか単に思いつきませんでした。

A. fukuonaraさんから

 力学的にはどちらも同じです。つまり運ぶ物を斜めにして、上と下の2カ所に計量器を置きますと、どちらも同じ目盛りを指します。
 しかし、人が重たい物を支える場合、同じ重さの物でも支える姿勢によって重みの感じ方が変わります。上の人と下の人では当然姿勢が違いますので、その分重さの違いを感じるでしょう。
 プロの運び屋さんは この事を知っていて負担が軽くすむ姿勢で仕事をするようです。

A. bluestarさんから

 運ぶ物によると思います。
 たとえば同じ大きさの立方体を運ぶとき、その立方体の重心がどこにあるか?
 重心に近い方を持ったら重く、遠い方は仮に下であっても軽い。重心が真ん中だったら同じ荷重がかかるので上下とも同じ。
 冷蔵庫を運ぶときがそうです。コンプレッサー側を持ったほうが重いでしょ。
 じゃー、階段を上がるとき後ろの人が腕を伸ばし物が水平になるようにしたらどうか? これも重い方は変わらないけど、上の人が持ちやすくなる、ただそれだけのこと。
 斜めに上がってゆくので、何となく下が重そうな気がしますが、重力は垂直にしか作用しない。と、これは自論ですので間違ってたらゴメンナサイ!

A. kztさんから

 まず、あくまで構造力学上の話にかぎりますと、均質な物体であれば上下に差はなく、鉛直方向の支点反力はおなじです。ただし重心が下方に偏る場合は下方が、上方に偏る場合は上方が重たくなります。タンスや冷蔵庫など、二人で運ぶような物体は、重心が中央ないしは下方にある場合が多いので、下の人が重いという経験例が多いのでは……。
 つぎに、実際の運搬作業を考えてみましょう。必要なのは鉛直支点反力だけではなく、対象を持つためには、物に向かう方向の水平成分も必要ですし、持ち手を保持するための握力も要ります。特に上方の担当者は、運ぶ物にもよりますが、取っ手もなく持ちにくいことが多いので、鉛直成分以外のところで余計な筋力を発揮しなければなりません。ですから、その分だけ、上方者は下方者よりしんどいような気がします。
 もし何かを運ぶとしたら? 私なら迷わず下方を担当します。

A. hoshiyanさんから

 確かに物を階段で運んでいるときに思い浮かぶ素朴な疑問ですが、私などは運び終わると安堵して忘れる疑問でもあります(笑)。
 力学的には、荷物の重心が上下の2人の真ん中にあるとき、2人が負担する重さは全く同じだろう。平地でも傾斜があるところでもどちらかが重くなるなんてことはないはず。
 ただ、質問者の方の「どちらが重い」に「どちらが辛い」の意味があるとしたなら上の人の方が辛そうだ。
 それは下の人は背筋を伸ばして荷物を持っているのに対して、上の人は斜めになっている荷物を少しでも水平にしようと腰を屈めてる無理な体勢になっていることが多いように思うからだ。
 さらに荷物が掴むところがない全くの直方体の場合、下の人は腕あるいは胸を使って支えることができるのに、上の人は握力のみに頼らざるを得ない。
 というわけで、私なら下を担当する。考えていて楽しい疑問でした。

A. 実におもしろいさんから

 話を簡単にするためにソファを単なる直方体の箱として、角や面を支える以外に握ったり手をひっかけたりできないものとして考えます。
 平面でソファを抱える場合、ソファに掛かる重力は底面垂直方向のみで、左右それぞれの底面にかけた手に均等にかかりますからどちらも同じ重さです。
 これが階段や斜面でソファが斜めになったとき、どうなるか。
 ソファ正面からみて左側が高くなるように傾けるとします。すると、ソファに掛かる重力は底面垂直方向と右側面垂直方向に分解できます。
 この場合、左側(上側)を持っている人は主に底面に手をかけていますから、底面垂直方向のちからのみを支えればいいことになります(手をかけられませんから側面方向の力を支えるのは手の摩擦力のみです)。
 一方、右側(下側)を持っている人はおそらく底面と右側面を支えるように角に手をかける形になると思います。つまり下側の人は底面方向(の半分)と側面方向のほとんどの重さを支えなければならず、下側の方が重いと言えると思います。
 ただ、現実には質問者様も仰るように上側の人も手をかけて「引き上げる」という動作ができる場合があります。
 上側の人が引き上げた分、下側の人は負担が減りますが、こればっかりは上の人がどれだけ頑張るか次第なので、どちらが重いとはいえません。
 かかる力が同等になるように引き上げもするとすれば、経験上下側の方が力を入れやすいので楽だとは思います。

kisakiさん、しょーたさん、やじゅっちさんからも、回答をいただきました。ありがとうございました。