--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1069 (2013.11.03)

Q. ノリユキさんからの疑問

 とても不謹慎であることはわかっているのですが、ニュースを見聞きするときにいつも気になっていることがあります。
 たとえば何かの大きな事故があって、その結果
「10人死傷」という報道がされたとします。この場合の「傷」って、どの程度のものなのでしょうか?
 死亡された方もいれば、さいわいかすり傷程度ですんだという方もいらっしゃるでしょう。そのような小さな「傷」まで含めて、「10人死傷」なのでしょうか? それとももっと大きな傷しか含めないのでしょうか?
 職場の何人かの同僚にも尋ねましたが、結局のところ彼らも知らないようでした。ただ、大きな事故が起こってから短い時間で記事をまとめ報道するのだから、傷の程度も十分に分からない段階で報道する場合がほとんどだろう。だから、傷の程度によらずとにかく「傷」だったら「死傷者」に含めて私も含めカウントするのではないか――という意見がありました。いずれにしろ、よく知らないままでニュースを見聞きしていたことになります。
 特に報道機関の方からの情報があるとうれしいです。

私も分かっていませんでした。ぜひ、知りたいです。


A. Hoshiyanさんから

 知り合いのちょっと偉い警察官の話によると、事故や災害が発生した場合、報道機関や報道機関の記者が勝手に死傷者数を報じるのではなく、警察からの発表を受けて報道しているとのことだった。この話の通りだとすると、報道機関が傷の程度を判断しているのではなく警察の判断によることになる。
 しかし、知り合いの警察官を信用しないわけではないが、報道機関は警察以外からの官庁からの情報も利用している可能性があると思う。たとえば、救急患者を扱う消防庁だ。
 火災が起こった場合、死傷者の数を消防庁と警察が情報をすり合わせて、報道機関に発表する情報だけではなく、報道機関が速報性を求めた場合、消防庁から得た情報だけでも死傷者数を速報することはあるのではなかろうか。
 ところが、実は死傷の診察を下すのは医師だそうである。
 狭義には、傷は外部の力によって皮膚や筋肉が裂けたり破れたりした部分ということになろうが、医学的には「傷は身体を構成している組織や機能の連続性が断たれた状態」とのことだそうだ。
 前述の警察官によれば、医師は患者が皮膚からの出血が認められたときはもちろん、患者が首などの痛み、腕などを動かすと痛いと機能に障害があると訴えた場合、だいたい最低でも「全治1週間」と記載して被害者に含めるとのことだ。
 したがって、「報道機関が報じる傷はどの程度からか?」という疑問の回答は、形式的には全治1週間程度、実質的には患者の自己申告ということではないかと思う。