Q. やまおさんからの疑問
そういえば……、と突然思いついた疑問です。
ウェイトリフティングの選手には、ベルトを着けている人が多いです。しかもかなり太いベルトを。
ベルトをしていない人もいるようなのでルールで決まっているというものでもないのだと思いますが、あのベルトは何の役に立っているのでしょうか?
★ズボンが落ちないように……、ではなさそうですね。
腰に巻いているだけのようですね。
A. YOSHYさんから
私自身は、ウェイトリフティングなどというヘビーなエクササイズはしておりませんが、スポーツジムに通っていた者が小耳に挟んだ情報として読んで戴ければと思います。
傍目に見ると、腰に太めのベルトをお洒落のように巻いているだけに見えますが(中にはそういう方もおられるかもしれませんが)、実は非常に重要な役目があります。
たとえば100kgのバーベルを持ち上げたとします。肩に100kgの重量がかかりますが、恐らく背骨と肋骨によって囲まれた骨の籠により重量が分散されます。
その下の肋骨と骨盤の間は、支えるものとしては背骨しかありません。背骨は大腿骨とか骨盤のように丈夫ではなさそうですし、しかも幾分かは背骨を傾けた状態で持ち上げますので、あのベルトでお腹に硬い箱を形成することにより、その重量を分散するのが目的のようです。
したがってベルトの幅は骨盤と肋骨の間をおおむね埋める大きさが適していると思いますが。
本当の話は、実際にされておられる方にお問い合わせください。
ところで、似たような機能を持つものとして「コルセット」があります。
腰痛のときに、腰を固定するためによく使いますが、福祉現場で非常に重たい人を動かすときにも付けているようです。
亡父を入院させるために介護タクシーを頼んだとき、徐にバッグの中から出したコルセットを腰に巻き2階から階段を担いでおろしてくれました
A. 子沢山さんから
重量挙げの選手がベルトをしているのは、脊柱(背骨)を安定させることでより強い力が出せるようにすることと、腰の故障を防ぐことが目的です。
重量挙げは前かがみの状態からバーベルを持ち上げますが、その際に脊柱の左右後ろについている脊柱起立筋、いわゆる背筋を緊張させて起き上がります。この起き上がりの際に腹に力を入れ腹圧を上昇させると、前方からの力により脊柱がねじれたりせず安定するので、脊柱起立筋からより大きな力を出せるようになります。
また、脊柱を安定させることは、腰の筋や骨を保護し故障も防ぐことになります。これらのことを目的として、ベルトで腹を圧迫して腹圧を上げやすくしているのです。
腰痛の人が使用するコルセットや建設現場の職人さんがするサラシなども全く同じ目的です。
A. moshimoshiさんから
重量挙げの経験者です。
あのベルトは腰への負担を軽減し、体幹部をサポートするために使われています。ジャーク(首から頭上まであげる種目)をするときに特に必要となります。
まず首から頭上へのバーベルの挙げ方なのですが、一瞬、10cmほど膝を曲げて、首を支点にバーベルをしならせ(百数十kg以上からはすこしバーベルがしなり、これが助走的な役割を果たします)、しなったバーベルが戻るタイミングで垂直跳びをするかのごとく、思い切り地面を蹴り、バーベルを一瞬真上に浮かせながら、体はバーベル真下に潜りこむ要領です。
そしてどこの段階でベルトを特に必要とするかですが、バーベルを首に乗せたまま、膝を10cm曲げる助走的動作がとても腰に負担がかかり、ベルトが無ければ、重量に負けて体幹がぶれやすくなります。
体幹がぶれると、地面に対して垂直に(真下に)バーベルが沈まないので、地面を蹴っても真上にバーベルが上がらないことになります。まっすぐ上に上がらないバーベルを頭上に挙げ成功させることはかなり難しいです。
体幹部が細い計量級の選手は特に腰への負担が大きいので必要とします。慢性的に腰を痛めていた僕はこのベルトなしでは、腰に力が入らず、競技は出来ないほどで、不可欠でした。
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