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Q. 小僧寿司さんからの疑問
スーパー等で買い物するとき、パッケージ部分に「メーカー希望小売価格」という金額が表示されているのにきづくことがあります。 自分が見てきたかぎりでは、この価格通りで販売している店は見たことがないのですが、何のために「メーカー希望小売価格」の表示をしているのでしょうか? ★「あんまり安く売るんじゃねーぞ!」っていう抑止力?
スーパー等で買い物するとき、パッケージ部分に「メーカー希望小売価格」という金額が表示されているのにきづくことがあります。 自分が見てきたかぎりでは、この価格通りで販売している店は見たことがないのですが、何のために「メーカー希望小売価格」の表示をしているのでしょうか?
★「あんまり安く売るんじゃねーぞ!」っていう抑止力?
A. Hoshiyanさんから
以前はメーカーが主導して、問屋や小売店にいくらの販売手数料を支払うか決めておく建値制のもと、卸売価格や小売価格が設定されていることが多かった。しかし、自由経済の建前から市場での自由な競争を促して、事業者が自主的な判断で価格設定できるようメーカーなどが再販売価格を拘束することは、原則として独占禁止法により禁じられている。 それでもメーカーなどがメーカー希望価格を設定するのは、その商品の価値を明示することで、再販売価格に影響力を発揮して、安売りによる商品や企業のブランドイメージの低下を防ぎたいとの思惑がある。実際に過激な安売りをする小売店などに商品の出荷を渋るなどして、メーカーは再販価格決定にある程度の影響力を持っていると思われる。 また小売業者としては、メーカー希望価格は二重価格表示を行う際の比較対照価格として都合がよいし、消費者としては、自らその商品の適正価値を判断することが難しいので、メーカー希望価格の妥当性を疑いつつも、「いくらぐらいの価値がある商品なのか」を判断する基準になっている側面もある。このようにメーカー希望価格は三者三様にメリットをもたらしていると思われる。 ご質問の趣旨とは違うが、たとえば建築業界などでは取り扱い品目が多岐にわたるため、いちいち買い手が実勢価格を調査することは困難である。そのためメーカー希望価格を基準にした掛け率(メーカー希望価格の何%で買えるか)で商談することが多い。したがって、業界によってはメーカー希望価格が業務の遂行に必要とされているところもあると考えられる。 最後に、最近は競争の激化で、かなり値崩れを起こしているようだが、コンビニエンスストアではメーカー希望価格での販売は珍しくない。