Q. レッツゴーさんからの疑問
オーケストラで演奏するとき、楽譜をめくるのが大変だなと思うのです。
そこで、私考えたのですが、iPadのようなタブレット端末で楽譜をみるようにしてはどうでしょうか?
「めくる」という行為ではなく、「タッチする」あるいは「スワイプする」だけでページが変わるようにすれば、紙をめくるよりも楽なのではないか?
そこで、疑問ですが、この方法に何か「穴」はあるでしょうか? それともすでに導入されているのでしょうか?
★私は、「広さ」が足りないような気がします。
曲演奏に合わせて、自動的に楽譜が動くというのはどうでしょうか?
A. TOMさんから
オーケストラ経験ではないので、メールするのを躊躇していたのですが、私の推測を送らせて貰います。
私もイングリッシュハンドベルという楽器のサークルに入っていたときに、「タブレットに楽譜が入ってたら楽なのに……」と思ったことがあります。しかし、譜面の版権の問題で、タブレット用の譜面が開発されないのかなと思っておりました。そういう譜面が存在しないのならば、タブレットで演奏している時点で違法だってバレてしまいますし……。全曲を自身で作曲なりアレンジした譜面をメンバーに配布したなら可能なのかもしれませんけども……。
A. hyaruさんから
先日テレビで「カナディアン・ブラス」という金管五重奏のグループが、タブレットの楽譜で演奏しているのを見かけました。指でさっと画面を送っていました。
面白いのが iPad とアンドロイド端末と混在していたことです。
ただ、紙の譜面と比べるとずいぶん画面が小さいので、老眼の方には使いづらそうですね。
また、譜面ではありませんが、ポピュラー音楽でヴォーカルの方が歌詞カードとして使っているのはよく見かけます。
A. やまおさんから
2年前、Bob
James のコンサートに行ったとき、彼はタブレット端末を楽譜を見るために使っていました。
この方法には「穴」があります。オーケストラで演奏するとき、指揮者やコンサート・マスターからの指示を書き込めないことです。
致命的な「穴」は、電源などタブレット端末が故障したときです。
A. ヤコピさんから
楽譜をめくる行為の最大の不都合は、演奏中に楽器から手を離さなければならない点です。
楽譜の媒体を紙からタブレット端末に変えるだけでは、楽譜をめくる際には、やはり楽器から手を離すことになるので、この不都合は解消されません。
不都合を解消するためには、楽器から手を離さずに、適切なタイミングで楽譜がめくれる仕掛けが必要ですが、タブレット端末を利用して、足でスイッチ操作をするアプリ、カメラの前で首を振って操作するアプリ、演奏の音を拾いながら自動でめくるアプリなど、既に何種類か実用化されています。
A. 前田憲男さんから
結論から言うと、「使える」ようにする方向で各社が研究をしている段階で、すでにヤマハから無料で手に入るソフトを提供しています。
NoteStar
http://jp.yamaha.com/products/apps/notestar/?yomm=2014610_30
まさに疑問No.1093の回答そのもののようなソフトです。
問題は「使える」か?――ですが、限られた用途での使用には充分です。
実際に自分のバンドの譜面台を、相応の「モニター」に替えて営業している実例もぼつぼつ現れています。
言い換えれば、「紙の楽譜」と「モニターに映った楽譜」どちらが「実用的」か、です。
我々プロの仕事場で楽譜の管理状態から考察すると……、
【メリットその1】
楽譜の物理的な重さから解放される。
私のグループ(10人編成)ではすべてのレパートリーを運搬するには、ジュラルミンのトランク2個を必要とします。重量はハンパないです。10人分のタブレットを運ぶ方が楽なのは当然です。
さらにピッグバンド(17名)、ブラスバンド(40名)、2管編成オーケストラ(60名)の譜面管理を考えると、人数分のタブレットの管理のほうがはるかに能率的です。
【メリットその2】
スコアの修正が即パート譜に反映する仕組みを構築することが可能。
たとえば、本番直前にコンサートの構成が大幅に変更されることがあっても、「指揮台」に相当するタブレット上での変更作業が全パートに反映するようにプログラムされていれば、メンバーはただ画面の表示に従っていればいいという、風通しのよい仕事場になる。
【メリットその3】
楽譜をデータ化することで記録が簡略化され、オーケストラのライブラリアン(楽譜係)の仕事が飛躍的に楽になる。
【デメリット】
システム導入にそれなりの経費がかかる。
理想的な画像を得るためには最低A4のタテ、できれば左右2ページが欲しい。ということは、現在市販のタブレットをあきらめ、楽譜専用のモニターを「業界仕様」として開発する必要があります。ハード的には市販の19インチモニターを利用出来るソフトを開発すれば事足ります。
★わざわざのご回答、ありがとうございました。
譜面の管理がそれほどまでに大変だとは知りませんでした!
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