Q. RAPPAさんからの疑問
卵は「物価の優等生」と呼ばれるくらいに、昔からあまり価格が変わっていないと聞きました。
「昔」というのがどれくらい昔なのかわかりませんが、卵の価格がそんなにも変わらないのには、どんな理由があるのでしょう?
★「昔」は、高価だったということでしょうか?
A. ルーモさんから
安定供給できるよう、業界が努力しているからです。
スーパーのセールで、「卵1パック100円!」という広告がありますよね。そしてセール日には、スーパーが賑わう。客の多くが、セールのたまごをカゴに入れている。薄利多売で、100円でもレジに行列が出来れば採算が合うわけです。
卵というのは、天候によって産卵量に変化がありますが、たとえば猛暑続きで産卵量が減っても、冬場になれば復活するわけです。つまり、原価が上がっても後でうめ直しが効く、といったほうがいいでしょうか。
A. アンギラスさんから
価格が安定してるのは、養鶏の方法が革命的に進歩したからです。
昭和30年代まで、「平飼い」といって柵で囲った広場に何十羽も放し飼いにし、卵を1つ1つ拾って収穫してました。
それをケージに押し込め上に重ねることにより、同じスペースで大量に買うことができ、1羽1羽の管理、給餌や卵の収穫も少人数で効率的に行え、経費も節約できるようになりました。
要するに、卵が農業生産物から穀物を卵に換える工業製品になったんですね。
それ以降は、より一層の多頭数経営による集約的生産、卵を多く産む品種の導入、温度や照明を当てる時間、エサや鶏の年齢など個体管理も徹底的に研究されて、最も効率よく卵を得る研究がなされました。また選別・洗卵・箱詰めなどで機械化も進み、その結果卵の価格上昇は他に比べて低くおさえられてるのです。
ちなみに、私の記憶の中では、昭和40年代前半、都市部のJRの初乗り運賃が20円の時代、卵は1個15〜20円でバラ売りされ、籾殻を敷いた箱に入れて病気見舞いや手土産にも使われました。
ソレを考えたら卵は1つ100円から140円くらいでも変ではありませんね。
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