私の記憶が正しければNHKのテレビ番組だったと思うが、映画館業界では35ミリのフィルム映写機に取って代わって、デジタル映写システムが普及しているとのことだった。
デジタル映写システムはDLP(デジタル・ライト・プロセシング方式によるプロジェクター)と呼ばれ、導入コストが1000万円ほど必要で、独立系の新作映画を上映するミニシアターや旧作映画を主体に上映する名画座など資金に余裕のない映画館には重い負担となっているという番組内容だった。
テレビ番組の内容はさておき、デジタル方式の映写方法が普及した理由は映画がフィルムやテープである場合、物流に乗った時点から海賊版が作成される可能性があること。またフィルム上映の場合、1作品のフィルムを上映用にプリントすると、20〜30万円コストがかかる。一斉公開ということになれば上映する映画館分のプリント費用が必要になることだった。加えて、デジタルであればフィルムのような映像の劣化もない。そのような理由から現在ではDLPが映画館の基本になっているようだ。
そのデジタルシネマ映写システムは、映像デジタル信号をTexas
Instruments社が開発したDCP(デジタル・シネマ・パッケージ)などで画像に変換して、光源に高演色性のキセノンランプを使った結像光学構造を介してクリーンに投影するとのことだ。