サケやウナギなどのように成育期によって、棲むところを川から海へと変える魚を「通し回遊魚」と呼ぶ。
「通し回遊魚」は川にいるときには浸透圧作用によって体に余計な水分が入ってくる問題があり、反対に海にいるときには体から水分が出て行ってしまう問題がある。
その問題を解決するために、サケにかぎっていえば皮が非常に厚く丈夫で浸透圧作用の影響を受けにくくなっている(北海道の一部の地域ではサケの皮で靴を作っているなんて話を聞いたことがある)。
それでも完全に浸透圧作用の影響から逃れられるわけではないから、川にいるときはエラから塩分などのミネラルを吸収して腎臓から取り込み、余分な水分は尿として排出する。また、海にいるときは海水を飲んで水分を腸から吸収し、余分な塩分をエラから排出している。このように体液浸透圧を調整している。
では、その切り替えはというと、「遺伝子にそのようにプログラムされているから」という身も蓋もない答えらしい。
このように、なかなか複雑な仕組みだったりする。
★その「切り替え」をサケはきっと、「無意識」にやってるんですよね。