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疑問No.1137 (2015.03.13)

Q. ワレモノ注意さんからの疑問

 サケの生態についての質問です。
 サケは川で生まれ、海へ旅立ち、再び生まれ故郷の川に戻ってくると聞いています。「戻ってくる」ということも驚きなのですが、私が知りたいのは、
サケは「淡水→海水→淡水」という環境の変化にどうやって対応しているのかです。普通、淡水魚を海水に入れると死んでしまいます。逆の場合もそうです。
 サケはどのようにして変化に対応しているのでしょう?

案外、簡単な仕組みだったりして!


A. hoshiyanさんから

 サケやウナギなどのように成育期によって、棲むところを川から海へと変える魚を「通し回遊魚」と呼ぶ。
「通し回遊魚」は川にいるときには浸透圧作用によって体に余計な水分が入ってくる問題があり、反対に海にいるときには体から水分が出て行ってしまう問題がある。
 その問題を解決するために、サケにかぎっていえば皮が非常に厚く丈夫で浸透圧作用の影響を受けにくくなっている(北海道の一部の地域ではサケの皮で靴を作っているなんて話を聞いたことがある)。
 それでも完全に浸透圧作用の影響から逃れられるわけではないから、川にいるときはエラから塩分などのミネラルを吸収して腎臓から取り込み、余分な水分は尿として排出する。また、海にいるときは海水を飲んで水分を腸から吸収し、余分な塩分をエラから排出している。このように体液浸透圧を調整している。
 では、その切り替えはというと、「遺伝子にそのようにプログラムされているから」という身も蓋もない答えらしい。
 このように、なかなか複雑な仕組みだったりする。

その「切り替え」をサケはきっと、「無意識」にやってるんですよね。