Q. 緑のしっぽさんからの疑問
私は車に乗ることが多いので、テレビを見る時間よりも、ラジオを聞く時間のほうが長いのです。そこで、前々から疑問に感じていたことを質問させていただきます。
ラジオを付けたときに、野球中継をやっていることがあります。あるときは、相撲中継をやっていることもあります。サッカーという場合もあります。まあ、私が一生懸命に聞かずに、聞き流しているからかもしれないのですが、相撲やサッカーの中継は、アナウンサーさんの実況が目に浮かびにくいのです。
相撲なんて、登場している「選手」はたったの2人ですよ。それなのにその2人がどういう戦いをしているのかがあまりイメージできないのです。最終的に「上手投げで○○山が勝ちました」くらいしかわかりません。
職場の同僚の数人に尋ねましたら、程度の差はあれそのような「症状」があるとのことでした。どうしてこのような「症状」が現れるのでしょうか? そもそも、相撲やサッカーはラジオの実況には向いていないのでしょうか?
★スキーの大回転なんて、もっと向いていないような気がします。
A. アンギラスさんから
相撲は、なんとなく想像できます。
コツは、何番も相撲を見て、頭の中で自分で実況するんです。
「さあ立会いです! 白鵬、踏み込んだ! 左四つ!鶴竜上手を引けない! 白鵬、右を引いて左をおっつけて出る! 青房下、胸が合った! 寄った寄った! 寄り切り! 寄り切って白鵬の勝ち! 万全の相撲でした!」とか。
サッカーの方はJを中心にアマチュアを含め、生で30試合・テレビで20試合近く見てますが、選手の絡み合いで攻守のパターンがほぼ無限なので全く想像できません。映像がないラジオで中継する意味があるのかといつも思います。
A. トシキさんから
サッカーは、見ていてもついていけないときが多くあります。それを、映像を見ずに音声だけで伝えられても、私にはわかりません。
実況をしている人がとても上手だとしても、聞いている私が初心者なのです。つまり、これって、「慣れ」なのかなぁって思います。
A. なるかみSPさんから
まず、野球は他のスポーツに比べると「一塁」「三遊間」「センター」など、“位置”を伝えられる言葉が豊富ですよね。
「ピッチャー第1球を投げた!」
「打った! センター前!」
「ランナー三塁を回った!」などと言われれば、選手の一挙手一投足までは分からなくても「どこで、何が起こっているか」はイメージできます。
もともとの選手(守備側)の配置がほぼ固定というのも手伝って、聴いている側も試合の様子を思い描きやすいのではないでしょうか。
また、野球の場合は攻守の交代やピッチャーがボールを投げる前など、頻繁に「待ち」の時間が入りますね。アナウンサーさんはこの間に試合の流れを振り返ったり現在のカウントを伝えたりしますが、試合中の「待ち」の時間にこうした副次的な情報が与えられることで、ラジオを聴いている側は無意識にマウンド上のピッチャーや打席に入るバッターなど、選手の姿をイメージする機会が多くなり、結果として試合内容が絵として浮かびやすくなるのではないかと思います。
これに対してサッカーは2つのチームが入り乱れて戦い、選手の位置関係もその時々で大きく違い、しかもそれが常に動いています。実況ではこうした様子を逐一伝えることができないため、聴いている側にとっては絵が浮かびにくいのではないでしょうか。
相撲については、取組が始まってから決着がつくまでの時間が短い、という点に尽きると思います。中には数分かかる場合もありますが、多くは数秒から十数秒です。
短い時間の中で慌ただしく動く2人の力士の手や脚の運び、土俵の中での向きや位置取りを言葉で正確に伝えるのはやはり困難なように思えます。
しかし語彙そのものは豊富にありそうなので、ひょっとしたら相撲に詳しい方は実況を聴くだけでも取組の様子を充分にイメージできるのかも知れません。
このように考えると、サッカーや相撲が実況に向いていないというより、野球が他のスポーツに比べて特に実況に向いている、ということなのかもしれません。同じような要因で実況に向いているスポーツとしてはゴルフが挙げられると思います。
|