Q. ともやさんからの疑問
趣味で文章を書いて、応募することがあります。
そのとき、応募要項に書いてあることの意味がわからなくて、いつも気になっていました。それは、次のようなものです。
「最優秀作品賞および佳作の作品の著作権は○○に帰属し、応募作品は返却いたしません」
パソコンで書いているので、応募作品が返却されないのはなんともないのですが、「著作権は○○に帰属し」というのがわかりません。「○○」にはその賞を主催する団体名が入ります。
私が書いた文章の著作権は、ふつう私のものですよね。では、この一文が言わんとしていることは一体どんなことなのですか? もし私の作品が賞を取った場合、どんなことを想定すればよいのでしょうか?
★私も知りたい! 著作者は権利を失うの?
A. ごまさばさんから
他の出版社が主催する○○文学賞などへの応募、自費出版での販売、もしくは、無料で著作物を公開するなどの行為をさせないための対策でしょう。
A. うにうにさんから
今回の場合、「最優秀作品賞および佳作の作品」に限定されていますので、おそらく主催団体としては、最優秀作品賞および佳作に選ばれた作品については、単行本にするとか、雑誌やウェブサイトなどに載せるなどの、何らかの形で全文を発表することを予定しているのでしょう。たとえば芥川賞の場合、既に単行本になっている作品が選ばれることもありますが、受賞作は必ず「文藝春秋」に全文が載ります。
そういった場合、通常であれば著作権者である作者に許諾を得ないといけないのですが、断られたら主催者としては困るでしょうし、仮に許諾されたとしてもお互いに手間がかかりますので、最初から主催者側に権利を譲渡しているわけです。
なお、そうするとタイトルや著者名を変えたり、本文を変えたり、主催者側で勝手にいじられたら困る、と心配されるかも知れませんが、これらを勝手にいじられない権利は「著作者人格権」といい、他の著作権と異なり、他人に譲ることはできません(著作権法第59条)。
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