Q. やまおさんからの疑問
フルートという楽器は「木管楽器」に分類されているそうです。フルートは金属で作られているのに、どうして木管楽器なのでしょうか?
どこを探しても木は見当たりません。「金管楽器」にしましょう。
★金属製なのに「木管」ということは、「昔はそうだった」か、「じつは一般にはよく知られていない定義がある」のどちらかだと想像します。では、なぜ、呼称を変えないのかという疑問もあります。
A. 和宏さんから
思いっきりはしょっていうと、金管楽器はラッパで、木管楽器はラッパ以外です。要するに唇を振動させて音を出しているか、それ以外かで区別しています。
なぜこのような区別の仕方なのでしょうか?
私自身はラッパの鳴らし方を21歳まで知りませんでした。ラッパをならすのは、結構難しいですよね。特別な技術のような気がします。そのあたりに区別の起源があるのかもしれません。
調べているうちに気になった小ネタを少々書きます。
・法螺貝は金属ではないが金管楽器。
・尺八は竹だけど木管楽器。
・オカリナは土でてきていて管ではないけど木管楽器。
・ウィキペディアの木管楽器のページには、ハーモニカとアコーディオンが掲載されている(オルガンが掲載されていないのはなぜ?)。
A. ごんたさんから
木管楽器に分類されている楽器で木製でない楽器は、フルート以外にもサックスやリコーダー(縦笛)オカリナなどがあり、それらの材質は金属やプラスチック(樹脂)、陶器(土)と様々です。また、フルートの一族であるピッコロは一部に木管が使用されております。
逆に、金管楽器でも金属を使用しないものはいくつかあって、アルペンホルン(木製)法螺貝(貝)角笛なんかも金管楽器として分類されております。
要するに、楽器が現在、何の材質でできているかというのは分類に全く関係ありません。
フルートやサックス、縦笛やオカリナが「金管楽器」「プラスチック管楽器」「土管楽器」と呼ばれないのは、これらの楽器のルーツが縦笛や横笛などの木管楽器にあることが原因で、演奏方法や発音原理が同じであれば、材質に応じた呼称にする必要がない……、というより混乱の元になるので変えないのでしょう。
A. しげ3さんから
いつも楽しみにしています。
木管、金管の違いですが、これは音の出し方でわかれているはずです。
・木管楽器……リードがある(息を吹き込むと音が出る)楽器。
クラリネット、オーボエ、ファゴットあたりは木製ですが、フルート、サックスなどは金属製、リコーダーはプラスチックでも木管ですね。
・金管楽器……マウスピースなどがあり、唇を振動させて音を出す楽器
トランペット、トロンボーン、ホルン、コントラバス、ユーフォニウムなど。
山伏などが使うほら貝は、唇を振動させて鳴らしているようなので金管楽器だと思われます。
フルートはリードがないような感じですが、「エアリード」という吹き込み方(?)で鳴らすため、木管楽器です。
エアリードは瓶の口に息を吹き込むと音がするのと同じ原理のようです。ということは、ビンは木管楽器ですね(笑)。
A. 賢さんから
学生の頃に音楽の授業で「木管楽器はリードや息を震わせて音が出る管楽器、金管楽器は唇を震わせて音が出る管楽器」と習いました。今は「金管楽器は唇を震わせて音が出る管楽器、木管楽器はそれ以外の管楽器」という定義になっているようです。フルートは唇ではなく息を震わせるので木管楽器です。また、昔のフルートは木でできていたそうです。
いつの頃かわかりませんが、おそらく西洋から輸入された概念を日本語に翻訳したのだと思います。英語でもそれぞれ「Woodwind
instrument(木製の管楽器)」「Brass
instrument(真鍮製の楽器)」と呼んでいるそうです。
西洋でこの分類ができた頃は、ほとんどの木管楽器は木製で、ほとんどの金管楽器は真鍮製だったので事実に即した名称だったのが、技術の進歩で様々な材質で楽器を作れるようになり、名称と実態が離れてしまったようです。
呼称を変えないのは、「既にその名称が使われている膨大な量の歴史的資料があるから」ではないかと思います。
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