--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1268(2018.06.08)

Q. とんこさんからの疑問

「鳥取県」の「鳥取」の由来は、鳥を取って朝廷に献上していた「鳥取部」という部民いたからというのが有力です。
 それなら、「鳥取県」ではなく、「取鳥県」になると思うのですが……。鳥を取るのだから「取鳥」です。
「鳥取県」は、なぜ「取鳥」ではなく「鳥取県」なのでしょうか?

疑問の中心は「鳥取」の地名の由来ではなく、なぜ、「取鳥」ではないのかというところですね。深くなりそうです。


A. 喫煙中さんから

 簡単です。日本語の語順に従っているだけです。
「鳥を取る」から「鳥取」です。「とっとり」は、「訓読み」なのです。「皿を洗う」ことを「皿洗い」と言うのと同じです。
 もし、「取鳥」なら「とっとり」ではなく、「シュチョウ」と読むはずです。
 なお、「鳥取」を「とっとり」と読むのは、たぶん「とりとり」が短くなったのだと思います。

A. Issieさんから

 単純に日本語の語順の通りに漢字をあてた――というお答えではダメでしょうか。
 漢文であれば確かに目的語の「鳥」を後ろに回して「レ点」を入れて逆に読みましょうね、となるのでしょうが、これは漢文ではないので。
「とりとり部」と同じ部民集団には、ブタ飼い集団の「ゐかひ部」や鳥飼い集団の「とりかひ部」がありますが、どちらも「猪飼部」「鳥飼部」と、字を逆転させずに日本語の語順で漢字表記されています。この流れで行けば「とりとり部」も同様に「鳥取部」となるのだろうと思います。
 なお、「鳥取部」は語源的には「とりとり部」となるのでしょうが、実際には「ととり部」と読まれていたようです。この「ととり」がやがて「とっとり」と発音されるようになりました。
 だから「鳥を取った」という現代語に引っ張られて「取鳥」と書いてしまう人がいるのですが、あくまでも前半の「とっ」が「鳥」で、後半の「とり」が「取」、つまり「鳥取」が正しいのです。