--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1282(2018.11.09)

Q. のーもさんからの疑問

 イヌがくるくると回っている姿を見たことがあります。しっぽを追っかけているのでもなさそうです。
 野良犬も回っています。散歩中の飼い犬も、くるくる回っています。
一体、イヌは何のためにくるくると回っているのでしょうか?

私も何度も見たことがあります。


A. とまとんさんから

 以前に似たようなことを獣医さんに尋ねたことがあります。おもに4つのことが考えられるとのことでした。

  ・うれしい
  ・寝場所を整える
  ・危険回避(敵がいないか? )
  ・ストレス

 だいたい、こんなことをおっしゃっていました。

A. Hoshiyanさんから

 我が家は犬を飼っており、当然ながら愛犬がくるくると回っている姿をよく見ています。犬がくるくると回る場合、いくつかのパターンがあるようです。
 まず、寝ようとする場所で、くるくると回ります。これは、犬が野生であった時代、寝るときには背丈の高い草などの茂みを選び、回転しながら草を踏んで倒し、自分の休む場所を作った行動の名残りのようです。なかには、地面を整えた後に鼻を使って枕のようなものを作る犬もいるそうです。
 次に、散歩に連れていったとき、犬が行きたい散歩の方向を無視して、私の都合で別のルートに無理を強いて連れていくと、不満からか我が家の愛犬は抗議するようにくるくると回ります。これは犬がストレスを感じると、くるくると回るということのようです。そして、犬が慢性的にストレスを感じるようになると、自分の尻尾を追うようになり、ひどくなると尻尾を傷つけるほどになるそうです。
 さらに、排便する前に、やはりくるくると回る犬がいます。これは犬が排便の際、後ろの半身を無防備な格好になり、敵が襲って来ても急に動けません。野生時代の犬にとって排便の際は命の危険あるので、くるくる回って天敵がいるか、確認していたという説があります。
 もうひとつの説では、この犬が排便する前に、くるくると回る動作は、犬が野生時代に草むらで排泄する際、腹などの柔らかい部分に草の茎など硬く鋭いものが当たらないように、草を押し倒した名残り、あるいは草むらに潜む危険な虫など追い払った名残りといわれています。
 しかし、犬の排便前の行動に関して、もっと興味深い研究があります。2013年に英国の科学誌「Frontiers in Zoology」に掲載された学説によると、犬が排便直前に、くるくる回って止まりポジションニングする行動には、地球の磁場が関係しているというのです。
 チェコのプラハにあるチェコ生命科学大学の研究者チームは2年間にわたり、37種70頭の犬の1893件の排便と5582件の排尿を観察し、その期間中の地磁気状況と比較し、犬の体軸の方向を測定したそうです。その結果、地磁気が安定している場合、すべての犬が体を南北軸に向ける傾向にあり、東北軸は避けようとしていることが分かったというのです。反対に何らかの理由で地磁気が乱れている場合、そうした傾向は観察されなかったとのことです。
 これまでもいくつかの哺乳類は、その行動様式のなかで、地球の磁場線に関して自発的に体軸を揃えることが知られていました。犬が排便する前に、くるくる回る行動も従来からいわれていた「草を押し倒す」という理由以外に、もっと深い意味があるのかも知れませんね。
 最後に老犬が認知症になると、くるくる同じところをまわる「旋回運動」するようになります。