--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1284(2018.11.23)

Q. 京都大好きさんからの疑問

 ずっとよくわからないことがあります。
「水道の修理、3000円から」とか、「車の塗装、5000円から」とか、そんなふうに
「○○円から」という広告をたまに見かけるのですが、あれは一体、どう受け止めればよいのでしょうか?
 簡単な修理なら安いのは当然のことで、また、難しい修理なら高くなるのは当然です。実際に、水道の修理に来てもらって、「7000円でした」ということはよくあることなので、「○○円から」とキャッチフレーズのように言われても、あまり意味のないことにしか思えないのですが……。
 このフレーズには、もっと別の意味があるのでしょうか?

言われてみれば、そうですね。
 業者は「安い」ということを印象づけしたいのでしょうか?


A. けろ坊さんから

 修理の場合は概ね部品代と交換工賃、それに出張費と調査費がかかります。
このうち出張費と調査費の値段の合計だと思います。

でも、その金額では、来てもらっても何も修理してもらえないですよね。
  う〜ん、そういうことなのかなぁ。

A. 岸ぞ〜さんから

 私は仕事柄、電気錠を扱うことがあります。そうしたことからときどき、お客様から通常の錠前の修理を依頼されることがあります。
 ところが、見積書を提出しても、ほぼ採用されることはありません。なぜなら街にある「鍵の110番」のような業者の価格の数倍、ときには桁違いになることがあるからです。
 私が電気錠の取り付けを依頼している業者は施工業者であり、修理業者ではないのです。修理業者の顧客は不特定多数であり、施工業者の顧客は限られているのです。
 仮に、ひとりの技術者が平均的な給与を受け取り、会社にも利益が残る技術料を1日あたり3万円だとすると、顧客の少ない施工業者は、どんな簡単な修理だとしても、そのために1日空けなればならないとすると、3万円請求しないとやっていけません。
 そして、施工業者は数が少ないため現場が遠方となれば、出張費も請求されることになります。さらに施工業者にすると、修理の代金は大きくないためプライオリティが高くありません。はっきり言って「やりたくない」ので、後回しにされてしまいます。
 おそらくですが、事情は水道業界でも同じだと思われます。しかし、錠前や水道の修理は緊急性の高いものが多く、顧客にとっては一刻を争います。世の中に施工業者しかないとすれば、顧客は極めて理不尽を強いられることになります。
 さて、あなたの家の水道設備が破損したとして、施工業者に修理を依頼したら、どのくらいの請求が来るかと不安になりますよね? そのとき、修理業者から「水のトラブルは5000円から」と言われたら安心できますよね。「少し面倒な修理だとしても3倍の15000円くらいかな」などと目処がつけられます。
「暮らし安心」をキャッチフレーズにしている会社は、顧客が強いられる理不尽に注目し、フランチャイジーを集め水道設備修理できる程度の教育を施し、全国展開したのでしょう。
 本部では、CMを流して、たくさんの水道設備修理を欲する顧客を集める。そうすることによって、代金が安くとも1日に何件も修理できるようにすれば、事業としてなり立つわけです。緊急を要するに顧客の要望にも応えられます。