--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1295(2019.05.24)

Q. よしひろさんからの疑問

 この時期はまだましなのですが、春先になると私の鼻がムズムズします。花粉症です。ムズムズするだけでなく、鼻水が止まりません。
 鼻水が出るとティッシュで鼻をかむのですが、かんでもかんでも鼻水が出てくるのです。止まりません。
 鼻水はいったいどこから出てくるのですか? どうしてあんなに出る必要があるのですか?

ホントだ! どうしてあんなに出るのでしょう?


A. Hoshiyanさんから

 鼻には、呼吸のために空気を取り込む、匂いを嗅ぐ以外に、体内の臓器であるデリケートな肺に空気を送り込む前に空気を加湿したり、冷たい空気を温める機能や、吸い込んだ空気のなかの塵などの異物を取り除く機能もあります。
 異物を取り除くフィルター機能が有効に働くために、特に重要なのが鼻腔と呼ばれる鼻の内側を覆っている粘膜で、その粘液は鼻腺という器官で分泌され、普段から粘膜を1日当たり1リットル近く作っているとされます。
 この粘液は鼻腔に侵入した異物を吸着する働きがあります。吸着された異物は粘液と融合して、粘膜の表面にある腺毛と呼ばれる組織の動きにより、鼻の奥でつながる喉へと押し流されます。
 ここからは余り語りたくはないのですが、異物と融合した粘液の多くは喉の奥へと流され、胃に送られて消化されます(笑)。ごく一部は咳とともに「タン」として口から吐き出されることも稀にあります。
 さて、こうした鼻の働きを司っているのは副交感神経ですが、花粉や風邪ののウイルスが鼻腔に侵入すると、その刺激によって免疫細胞が鼻粘膜に集まり、「ヒスタミン」という物質を放出します。
 すると、ヒスタミンの刺激を受けて副交感神経は「粘液の分泌量を増産せよ」と体に命じ、普段より数百ccほどの多くの量が作られ、これが花粉やウイルスを鼻から体外へと押し流そうとします。
 花粉や風邪のウイルスが鼻腔にある限り、ヒスタミンの作用で副交感神経は鼻水の増産を体に命じ続け、かんでもかんでも鼻水が出てくるというわけです。他にヒスタミンの作用を受けて、副交感神経は鼻づまりを起こし、異物の体内侵入を阻止します。それと、同時に「くしゃみ」を起こして異物を吹き飛ばそうとします。
 つまり、鬱陶しい「鼻水」も「鼻づまり」も「くしゃみ」も、すべては貴方の体が貴方を守るために頑張っている反応であって、感謝すべきものだといえるのだといえるのではないでしょうか。