Q. げんごろさんからの疑問
5月に会社の健康診断を受けました。そのときに、例年のように採血されました。
私はこれまで特に大きな病気をすることがなかったので、採血される機会は健康診断くらいしかありません。それでも「あ、まただ」と思ったのです。看護師さんが採血のときにこういうのです。
「親指を中に入れて握ってください」
確かに手を握れば(こぶしを作れば)、力が入って血管が膨らむような気がします。しかし、親指を中に入れるか・入れないかくらいで何かが変わるような気がしません。採血のときに、「親指を入れる」ことにどんな意味があるの
でしょうか?
★親指を入れると、針を刺してもいたくないとか?
A. 高谷さんから
先日、採血の機会があり看護師さんに聞いてみました。
「手の中に何か入れて握った方が力が入りやすいから」とのお答え。「握るものはなんでもいいけど、親指がいちばん手近にあるので」だそうです。
A. ゲイリーヤマさんから
採血の機会があり、この疑問を思い出したので看護師さんにすかさず訊いてみました!
ただ手を握るだけでも筋肉が収縮して血管が浮き出て、見えやすくなるそうです。さらに親指を中に握ると、抹消部の静脈血還流量が増して血管の怒張(血管が浮き出ること)が強くなり採血しやすくなる、とのことでした。
やっと長年の疑問が晴れましたぁ〜!!(^^)v
A. 太郎華爺さんから
かつて1回の献血量を増やす改定がなされたときに、さらに太い採血針が採用されたので、驚きと共にとても痛そうな感じがした記憶があります。
太いから痛いというのは思い込みであって、採血する人とされる人の個人差によって採血の難易度が異なるようです。採血針の進化で穿刺(せんし)の痛みは軽減されていますが、採血技術が上手いか下手かと採血しやすい血管か否かで天国と地獄との違いがあるようです。
採血経験が豊富なベテランさんは、上腕部に駆血帯(止血帯)を巻いてもすんなり採血できないと思えるときには、親指を中に入れて掌(てのひら)を握るよう指示します。しかし、一般的には、誰にも親指を中に入れて掌を握るよう指示します。さらに採血しやすくしても問題はないからでしょう。
医師や看護師は採血のため静脈に針を刺入する際には、「親指を中に入れて掌(てのひら)を握るよう」教育されています。
掌を握ると前腕部の筋肉が収縮して、指先などの末梢部から静脈血の還流量を促進させることになるからです。しかし、親指を中に入れないで手を握るのと、静脈血の還流量に差があるのかは不明です。実験的に血流計などで調べれば有意差はあるのでしょうが、臨床的には問題にならないからでしょう。
臨床現場では意識のない患者さんや、麻痺があって手を握ってもらえない患者さんから採血することもありますので、親指を中に入れないで採血することは不可能ということではないようです。
親指を中に入れて掌(てのひら)を握れば穿刺の痛みが軽減するなどという都合のよいことはありません。しかし、注射針を刺しても血管に当たらないので、刺したままその注射針の先で血管を探されますと、耐え難い痛み(血管痛)に耐えなければならなくなります。
採血技術が上手いか下手かと採血しやすい血管か否か2×2の4通りになりますが、採血が上手い人と採血しやすい血管の持ち主の組み合わせ以外の3通りの場合は、採血時に親指を中に入れて掌(てのひら)を握るようお勧めします。
★針を刺すときに痛みを全く感じないときもあって、そういうときは感動します!
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