--- 素朴な疑問集 ---
トップページへ    [素朴な疑問集 TOP]


疑問No.1309(2019.11.15)

Q. ヨネさんからの疑問

 小学校の頃から疑問に思っていることをお尋ねします。
 音が伝わるには、何かしらの「媒体」が必要です。金属を伝わることもありますし、空気や水を介して伝わることもあります。いずれにしても、何か「媒体」となるものが必要です。
 ところが、光は媒体がなくても伝わります。これは、どのように考えたらよいのでしょうか? もしかしたら、光は「伝わっている」のではなく、「移動している」のでしょうか?
 本当に不思議でなりません。まったく「素朴」ではないのかもしれませんが、よろしくおねがいします。

うわぁ〜、本当に不思議ですよね。音と光は何がどのように異なるのでしょうか?


A. ミオパパさんから

 これは、疑問が素朴であっても、答えは、なかなか難しそうです。
 耳に聴こえる音は質問者の方が指摘されている通り、空気のなかを疎の部分と密の部分が交互に繰り返す「疎密波」として伝わります(鉄などの固体を伝わるときは疎密波とは別の性質)。
 一方、光は質問者の方が示唆されているように「波」であると同時に「粒子」の性質も併せ持ちます。たとえば、光が進む方向に障害物があると、波のようにその障害物の背後などに回り込んだり、干渉したりする現象は粒子としての性質だけでは説明できません。
 反対に波としての性質では、金属に光が当たると、そこから粒子が飛び出してくる「光電効果」と呼ばれる現象の説明がつきません。
 こんな不思議な振る舞いをする光が宇宙空間のような真空のなかを伝わるメカニズムを私が理解している範囲で説明させて頂くと、次のようになります。
 電荷を帯びた粒子の周りに影響が及ぶ空間を「電場」、磁気力の及ぶ空間を「磁場」と、一般的に呼んでいます。
 この電場を振動させると、磁場が生じます。生じた磁場は次の電場を振動させます。このようにして、電場と磁場が次々と振動を引き起こして空間を伝わっていくものが「電磁波」です。光は電磁波のなかの目で感じ取ることができる波長のものです。
 しかし、「電場を振動させると、磁場が生じて、磁場が生じると、次の電場が震動するなんてことが、なぜ起こるのか?」と問われると、「宇宙空間には、そういう性質があるから」としか答えようがありません。
 私もそうですが、物理的事象のイメージを自分なりに作ってしまった方には、なかなか受け入れ難い話です。
 でも、真空の宇宙空間でも、磁石のN極とS極は引き合いますし、正負の電荷も引き合うこともイメージしできるしょう。また、重力も真空を宇宙の彼方にまで伝わることも理解しやすいかもしれません。
 真空の宇宙空間に存在するものは、見ることができて、触れることができる物質ばかりでなく、「重力場」や「電場」、「磁場」という人が知覚しにくい「場」が展開されるということになります。
 さて、余談になりますが、光が伝わる速さは299792458 m/sで、宇宙における最大速度であり、これを超えて、移動することはできません。なぜなら、アインシュタインの相対性理論によれば、移動する物体は光速に近づくにつれ質量を増し、光速では無限になってしまいます。無限の質量の物体を加速するためには無限のエネルギーが必要であり、残念ながら宇宙には無限のエネルギーは存在しません。
 私は光速を超えて移動できないことと、文明の寿命の短さが、存在が予想されていながら地球外知的生命体(宇宙人)に人類が出会えない理由だと考えています。

うわぁ〜、やっぱり不思議ですよね。