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疑問No.1310(2019.11.29)

Q. よもぎさんからの疑問

 我が家では、まだ、LEDを導入していません。普通の電球と普通の蛍光灯を使っています。LEDの導入はなるべく先送りしたいので、いつまで頑張れるかやってみたいと思っています。
 蛍光灯に関して疑問があります。
蛍光灯を長期間使っていると、内部に黒いシミのような物ができます。直線タイプの蛍光灯だと両端にできます。あれは一体何なのでしょうか? 長期間使ったことと、何か関係はありますか?

黒いシミが見られると、もうすぐ寿命かなと考えてしまいます。


A. ミオパパさんから

 長く使ったか蛍光灯にできる「黒いシミ」の正体についてお答する前に、最も一般的な蛍光灯の構造や光る仕組みを簡単にご説明致します。
 まず、蛍光灯の構成はガラス製の蛍光管の両端に陽極と陰極の電極(フィラメント)が備えられ、その管内には、2〜4hpaの圧力のアルゴンと少量の気体状の水銀の混合ガスが封入されています。
 蛍光灯が点灯すると、陰極の電極に電流が流れて高温になり、フィラメントに塗られたエミッター(電子放射性物質)から多量の電子が放出されます。
 放出された電子は反対側の陽極に誘引されて移動し、放電が始まります。放電により流れる電子はガラス管内に封入された水銀の原子と衝突し、紫外線を発生します。発生した紫外線はガラス管内壁に塗布された蛍光物により可視光線に変化します。
 さて、長く使った蛍光灯にできる「黒いシミ」の正体ですが、ガラス管内に封入された水銀とガラス管を構成するガラスにわずかに含まれるナトリウムが結合して、生成されたナトリウムアマルガムという合金です。
 蛍光灯が黒くなる現象は他にもありますが、「長く使った」という条件をつけるならナトリウムアマルガムでよいと思います。

A. nata3さんから

 まず、蛍光灯が光る原理を簡単に書きます。
 電流が流れると蛍光灯の両端にある電極が加熱されることにより熱電子が放出され、陰極側から陽極側に向け飛びます(もちろん、交流ですから、両端の陽極と陰極は交互に入れ替わります)。
 飛び出した電子が封入されている水銀蒸気に衝突し、水銀原子の持っているエネルギーが上がります(励起)。励起された水銀原子はすぐに元の状態に戻りますが、そのときに、上がったエネルギーで水銀から紫外線がでます。その紫外線が蛍光管の内側に塗ってある蛍光物質に当たって蛍光物質が励起されます。今度はそのエネルギーで蛍光物質から可視光が出て、人間が光として感じるという訳です。
 ここからが、使っていると両端付近が黒くなっていく理由です。
 電極には熱電子を放出しやすい物質が塗られています。電極から電子が飛び出すだけならよいのですが、使っているうちに、この塗られている物質自体もごくわずかずつ飛び出していきます。これが蛍光管の内部に付着して黒くなるということです。
 電極に近いほど多く付着しますから、両端から離れていくと黒色が薄くなるわけです。電子を放出しやすくする物質が電極からなくなると、光の発生経路が途切れて光らなくなりますから、両端が黒くなると寿命が近づいているので、交換の時期が来たということですね。
 黒くなるのとは関係ないですが、昔の蛍光管は封入されている水銀の量がが多かったので、割れた蛍光管から小さな水銀の玉が出てきたという経験があります。
 最後に、水銀利用に関する「水銀に関する水俣条約」の影響で、水銀を使用した蛍光管はほぼ製造されなくなりましたから、そのうち蛍光灯もなくなり、この問題も過去の話になるでしょうね。

A. まさたかさんから

 東西電気産業さんのホームページに非常に詳しく載っています。
 
http://www.tozaidensan.co.jp/dictionary/dictionary2/fllanp_dic_1.htm

 原因によっていくつかのパターンがあるようですが、蛍光灯の中に注入されているガスの成分が化学変化を起こして付着したもののようですね。