--- 素朴な疑問集 ---
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疑問No.1319(2020.06.05)

Q. ぽーじいさんからの疑問

 僕は名画を鑑賞するのが好きで、世界の有名な絵画が来日した際は、機会があれば生で見たいと思っております。
 これまでもルーブル美術館展やオルセー美術館展など、写真でしかお目にかかったことのない実物に触れた感動はひとしおでした。近年では確か兵庫の美術館で観た、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』が印象に残っております。
 そこで最近になって「ん?」って思ったことなんですが……、
その名画が来日してるときって、本来あるべき美術館のその絵のある場所ってどうなってるんでしょう?
 世界各国からその絵を目当てに来られる方も多いでしょうに、その絵の場所が空き家になってるなんてとてもお気の毒ですよね?
 まさか、その期間だけはレプリカを展示、なんてことはないでしょうけど、実際どうなってるのでしょうか? ご存知の方、教えてください。

その展示物の「定位置」があるのでしたら、他の美術館に貸出中の場合は、定位置は「空き」の状態になるのは当然。その場合は、どのような措置が採られるのでしょうね? きっと、いろんなパターンがあるかと思います。


A. Hoshiyanさんから

「絵画が貸出中の場合、その場所はどうなっている?」という質問に対する正確な回答はできないのですが、ある程度の予想はできると思います。
 美術館がいつも同じものを展示しているような印象があるかもしれませんが、実は年に数回、大幅な展示替えを行っています。
 展示室の中が1年を通して温度と湿度が一定に保たれているので、温度や湿度が原因で作品が損傷する可能性は低いのですが、光退色の問題は照明の照度をいくら落としてもつきまといます。
 そこで、美術館では絵画の材料や技法に応じて、展示日数の制限を設けているようです。
 そこから推察すると、絵画が貸出中の場合、別の絵画が展示されていたとしても違和感はないはずです。
 したがって、多くの場合、絵画が貸出中の場合、別の絵画が展示されているのではないかと思います。
 しかし、その美術館を代表するような、他に代え難い名画の場合、たとえば『モナリザ』なら、温度と湿度などが完全に制御され、防弾ガラスに守られた専用の収納ケースに収められています。『モナリザ』専用なので、仮に貸し出されたそこは空き家なっていると思います。
 ちなみに、『モナリザ』の照明には、光退色の原因になる紫外線と青色光を最小限に抑えた東芝製LED照明が最小限の照度で点灯しているそうです。
 話を戻して、以上のことから絵画が貸出中の場合、その場所はどうなっているかは、その美術館、その絵画によって異なるのではないでしょうか。