★雑木話★
ぞうきばなし

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 ● 第八十二段 ●  鳥類最大の卵

 果物のキウイと鳥のキーウィは、何か関係があるのかとずっと思っていた。その答えはあとに回すとして、まずは鳥のキーウィについての知識を増やしてみよう。
 キーウィは、大きさはニワトリくらい、ニュージーランド特産の飛ばない鳥だ。ダチョウ目キーウィ科に属する。名前は、先住民のマオリ族が、その鳴き声から「キーウィ」と呼んだことに由来している。走鳥類の中では、翼や尾がもっとも退化していて、痕跡程度にしかない。羽ばたくための胸の筋肉もほとんど発達していない。
 キーウィは、ジャングルの朽ちた葉などが積もった、柔らかい土のところに住んでいる。昼間は木の穴や倒れた木の陰などに潜んでいて、夕方になると食べ物を探して歩き回る。くちばしを腐った倒木や地面にさしこんだり、つついたりして探す。食べ物は、ムカデ、ヤスデ、クモ、ミミズ、昆虫の幼虫やさなぎ、冬場には果実も食べる。食べる際に小さな石を飲む込むが、これらは砂曩(さのう)にたまり、食べ物をすりつぶすのに使われる。
 夜行性なので目は小さくて、あまりよく見えない。かわりに臭覚が非常に発達している。くちばしの根元には感覚毛がひげのように生えていて、この触覚と臭覚で暗いところでも食べ物を探すことができる。
 巣をつくるのは雄の仕事。洞穴や中が大木の根の間、空洞になっている丸太などにつくる。雌がその中に卵を産むのは、7〜2月。この卵が非常に大きい。自分の体重が約2卵kgくらいなのに、300〜400gもの白くて巨大なを1〜2個生む。大きさは長径う12〜13cm、短経7〜8cm。体重比から考えれば、キーウィの卵は鳥類最大といことになる。卵を温めるのも雄の仕事で、75〜80日間かかる。
 これだけ大きな卵を産むのだから、孵化(ふか)した雛は成長が早い。親鳥をそのまま小さくしたような形で生まれてくる。数日たつと雄について巣から出て、自分の力で餌を探すことができるようになる。
 さて、果物のキウイと鳥のキーウィの関係について。
 果物のキウイは中国原産。1848年、イギリス王立園芸協会から中国に派遣されたフォーチュンという人がキウイを持ち帰り、そこからもたらされた種がーランドでは、さらに品種改良が1910年、カリフォルニアとニュージーランドで実を結んだ。ニュージ重ねられ、商品化に成功、世界一の生産国となった。品種改良が行われたニュージーランドの国鳥がキーウィだったこと、また、果実の外見がキーウィのうずくまった姿に似ていること、これが「キウイ」と命名された由来だ。
 キウイは簡単に手に入る果物になったが、キーウィは現在危機的状況にある。ニュージーランドへの入植者が食糧にしたこと、家畜の放牧による環境の変化などが大きな原因だ。このため、1908年には法律で捕獲が禁止され、1921年には輸出が禁止となった。
 さて、キーウィの名前やデザインは、切手をはじめ、さまざまなところで登場するが、実際のキーウィは夜にしか行動しないので、生きたままのキーウィをみるのは希有だ。


【メモ】

◆ここでは、「キウイ」と「キーウィ」を使い分けているが、英語では両方とも kiwi。

◆自宅で使っている靴クリームの容器に、キーウィのデザインを発見した。

◆ニュージーランドでは、マイホーム主義の夫のことを、「キーウィ・ハズバンド」という。雄が巣をつくり、卵を抱き、雛の世話をするからだ。

◆地上で生活し、まったく飛ぶことのできない鳥の仲間を「走鳥類」という。飛ぶ鳥の特徴である竜骨突起がなく胸が平らなので、「平胸類」とも呼ばれる。ダチョウ、レア、エミュー、ヒクイドリ、キウイなどが属する。飛べないかわりに、走るのは速く、走力は鳥類中でトップ。たとえば、ダチョウは時速約70kmで走る。

◆ニュージーランドの略史を少し。10世紀頃に先住民のポリネシア系マオリ人が移入したことが国の始まりといわれている。1642年にオランダ人のタスマン、になる。19世紀末には、世界初の婦人1769年にイギリス人のクックが訪れ、1825年にイギリスの植民地参政権・無償義務教育制度など確立する。り、1947年にはイギリス連邦内の立憲君1907年イギリスの自治領とな主国として独立する。

◆昔、ニュージランドにはキーウィが多く生息していて、マオリ人はその肉を食べ、その羽毛で外套などをつくった。

◆「新西蘭」。これは、ニュージーランドのこと。

◆1951年に調印された太平洋安全保障条約に加入しているのは、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカの3ヶ国。そこで、この条約の通称は、「ANZUS(アンザス)」。これは、3国の頭文字が組み合わされている。

◆1953年、世界で最初にエベレスト登頂に成功したのは、ニュージーランドのヒラリー。女性では、日本の田部井淳子。

◆ニュージーランドのオールブラックスは、ラグビーの第1回ワールドカップで優勝している。

◆ニュージーランドには北島と南島があるが、首都ウェリントンは北島にある。ここは、世界各国の首都のうちで、最も南に位置することで有名だ。ニュージーランドの第2の都市オークランドは北島、第3の都市クライストチャーチは南島にある。

◆ニュージーランドが2つの島からなることを確かめたのは、イギリスの航海者クック。このときの探検を記念して、北島と南島とを隔てる海峡には「クック海峡」という名前がつけられている。また、ニュージーランドの領土にクック諸島があるが、これも彼の名前。さらに、ニュージーランドの最高峰の名前は「クック山」。このあたりの山岳地帯は、「南半球のアルプス」と呼ばれている。

◆■ クック ■
1728〜1729。イギリスの航海者。キャプテン・クックとして知られる。1768〜71、72〜75、76〜79の3回の航海で、太平洋をベーリング海峡からニュージーランドまで縦横に探検する。ハワイで島民に殺された。

◆キャプテンクックが最初に世界を回ったとき乗っていた船は、マーキュリー号。

◆キャプテン・クックが現在のハワイ諸島を発見したときにつけた名前は、「サンドイッチ諸島」。ハワイ諸島の中で、彼が最初に上陸した島はカウアイ島。

◆南太平洋の島、ニューカレドニア島もクックが命名した。これは、彼の故郷スコットランドの昔の呼び何ちなんだものだ。

◆「クッククックク〜、クッククックク〜、青い鳥」と歌っていたのは、桜田淳子。

◆「九九八十一」だから、この話は第八十一段で扱ったらよかった。

【参考文献】
  ・週刊朝日百科 動物たちの地球13


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