★雑木話★
ぞうきばなし

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 ● 第九十八段 ●  O,T,T,F,Fって何でしょう?

 まずはよく知られた問題から。

  (1) 1……O  2……T  3……T  4……F  5……F

 数字とアルファベットを対応させてあるのだが、その対応のルールを発見できただろうか? ヒントは、英単語。
 そうそう、その数を英語で表現したときの頭文字だ。1なら、oneだから、「0」ってことだ。
 では、いくつか問題を出してみよう。

  (2) 1……J  2……F  3……M  4……A  5……M

  (3) 1……6  2……5  3……4  4……3  5……2

  (4) 1……0  2……0  3……0  4……1  5……0
    6……1  7……0  8……2  9……1 10……1

  (5) 1……1  2……2  3……2  4……3  5……2
    6……4  7……2  8……4  9……3 10……4

 (2)〜(4)の解答は、あとで【メモ】を読んでもらうとして、今回のお話の中心は(5)。さて、ルールがわかっただろうか? これだけのヒントでわかったしまった人もいるかもしれないが、もう少しヒントを出そう。

 11……2 12……6 13……2 14……4 15……4
 16……5 17……2 18……6 19……2 20……6

 これで、どうだろう? 左側の数が大きくなったからといって、それにつれて右側も大きくなるというわけではない。一体何なのか?
 右側の数に注目してみよう。1,2,2,3,2,3,2,4,3,4,2,6,2,4,4,5,2,6,2,6,……。規則性があるとは思えない。しかし、よ〜く見てみると、なんだか2の登場回数が多いことがわかる。このあたりが突破口になる。
 右側の数が2になっている数は、2,3,5,7,11,13,17,19。さて、ピンときただろうか?
「19の次は、23ですね」
「正解」
「ということは……、21なら4ですね」
「その通り」
 さすがに数学が得意な杉野君は、この段階でクリアした。

   2,3,5,7,11,13,17,19,23,……

 そう、これは、素数だ。素数とは、「1より大きい整数で、1とその数自身以外に約数を持っていない数」のことだ。だから、当然、素数は約数を2個しか持っていない。
 ここらで答えをいってもいいだろう。(5)は、左側の数の約数の個数を求めたものだったのだ。4の約数なら3個ある――ということだ。
 さて、20の約数は全部で6個あるが、みなさんはこの「6」という数をどうやって求めているだろうか? 20くらいの小さい数なら約数を数えても大したことではないが、もっと大きな数になると、約数の個数を数えて求めるのは、かなりやっかいだ。
 そこで、約数の個数を計算で求める方法を紹介しよう。
 例として、24の約数の個数を求めてみる。

(1) まずは、24を素数の積の形に分解する。下のような方法で、24をできるかぎり小さな素数で割り続けていくのだ。最後が素数になればフィニッシュ。

2 ) 24
2 ) ̄12 ̄
2 ) ̄ 6 ̄
   ̄ 3 ̄
            3  1
 この結果から、24=2 ×3 と表されることがわかる。ふつうは、「3の1乗」などという表現は使わないが、あとの計算のために、ここではこうしておく。

(2) 累乗の指数に注目する。指数というのは、累乗を表すために数の右肩につける数のことで、「2の3乗」の指数は「3」だ。この指数に1を加えたものをかけ合わせる。

  「2の3乗」だから、3+1=4
  「3の1乗」だから、1+1=2
   4×2=8

つまり、24の約数は8個ある。実際、24の約数は、1,2,3,4,6,8,12,24だから、確かに合致している。


【メモ】

◆整数を素数の積の形にすることを、「素因数分解」という。積の順序を問わなければ、どの整数も分解は1通りしかない。

◆なぜ、先の方法で約数の個数を求めることができるのか? もうすこし小さな数で考えてみよう。たとえば、9の約数。9は3の2乗、つまり、
「9は、2個の3を材料としてできあがっている数だ」
と、考えることだできる。9の場合の材料はたったの2個しかないのだから、材料の使い方としては、以下の3通り以外に考えられない。

   2個ある3のうち、2個を使う……………………9
   2個ある3のうち、1個を使う……………………3
   2個ある3のうち、0個を使う(使わない)……1

 3通りしか考えられないのだから、約数は3個しかない。

◆本文で述べた24の場合、2個の3、1個の3を材料にもっているから、

   2の使い方……4通り
   3の使い方……2通り

となり、全部の組み合わせは、4×2=8 となるわけである。

◆素数ではない整数のことを、「合成数」と呼んでいる。

◆本文の問題の解答。
 (2)は、月の英語名の頭文字。1月なら、Januaryだから「J」。
 (3)は、さいころの裏の面の目の数。しかし、これだと、左側の数は6までしか考えられないから困る。その後のことも考慮に入れて、「7からその数を引き算した結果」といった方がいいかもしれない。
 (4)は、線によって囲まれた領域の数。888なら、6だ。

◆会議などで、多くの意見が出され、どうにもまとまらないとき、出された意見の共通部分を結論として、全員が納得するという場面がよくある。このようなとき、「意見の最大公約数を採用する」などといわれる。数学用語が日常で使われる数少ない例だ。

◆いやいや、「同類項」というのもある。式において文字の部分が同じである項のことだが、これが転じて「同じような性質をもった仲間」の意味でも用いられる。しかし、どちらかというと、いい意味で使われる場合は少なく、「同じ穴の貉(むじな)」のような意味で使われることの方が多い。
「君と僕とは同類項だね」
と言われたら、
「勝手に同類項にするな」
と言い返した方がいい。

◆ムジナは、アナグマやタヌキの異名。地域によって意味するものが異なり、両者を混同してムジナということもある。

◆「同じ穴の貉」を探してみた。

  貉、豹(ヒョウ)、貂(テン)、貘(バク)

などがある。これらの漢字の部首は、共通して「豸」。「むじなへん」という。


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