★雑木話★
ぞうきばなし

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  ● 第百十段 ●  漢字でも大丈夫?

 1998年2月2日から、郵便番号が7桁になった。
 その際に、チャンスだと思って、郵便番号のことについて、いくつか郵便局に尋ねてみた。どれも、どうでもいいことかもしれないけど……。でも、郵便局の方は、非常に親切に答えてくださった。

(1) はがきについて
「今までのはがきだと、5桁分しかマスがないですよね……」
「ああ、そういう場合は、4・5桁目の下に残りの2桁を書いてください」
「じゃあ、2行になってもいいということですね」
「そうです。(1998年)3月31日まででしたら、7桁のはがきと無料で交換できますよ」

(2) 宛て名ラベルについて
「タックシールに宛て名を印刷したいのですが、番号の前に郵便番号のマーク(〒)をつけた方がいいですか?」
「つけない方がありがたいです。番号を枠で囲んだりするのも、機械が読み取りにくいのでやめてください」

(3) 住所の読み取りについて
「郵便番号を機械で読み取るんですよね?」
「そうです」
「住所も機械が読み取るんですか?」
「そうです。住所の中の何丁目何番何号というのを読み取ります」
「漢数字でも大丈夫ですか?」
「大丈夫です」

(4) 郵便番号の割り当てについて
「『001』で始まる番号は、北海道にありますよね。で、『999』は山形県にありますね。素人考えでは、沖縄県に『999』がありそうな気がするのですが、郵便番号は何の順番なのですか?」
「北から順番というわけではありません。東京に『100』がありますから、ここがスタートのようです。地域ごとにだいたい1桁目の数字が決まっていますが、とくに順番はないようです」

(5) 南極の郵便番号について
 これについては、新郵便番号案内サービスに電話してみた。
「あの〜、7桁の番号を教えていただきたいのですが……」
「はい、住所を教えてください」
「それがですね、以前に南極の昭和基地にも郵便番号があると聞いたもので、それがわかればと思いまして……」
「はい、昭和基地でいいですね」
「えっ、昭和基地の郵便番号があるんですか?」
「しばらくお待ちください。…………、すいません。のちほどこちらから御連絡させていただきますので、電話番号をお教えください」
 約15分後、
「さきほどの件ですが、東京の中央郵便局に確かめましたところ、南極には郵便番号は設定されていないそうです」
「そうですか、ありがとうございました」
 おかしいなぁ、5桁のときなら、「100-70」だと聞いたことがあるのだが‥‥。


【メモ】

◆日本の南極観測基地である昭和基地は、南極大陸に隣接した東オングル島という島にある。基地が開設されたのは、1957年1月29日だった。

◆このときに使用された南極地域観測船「宗谷」は、老朽化して引退、現在は「しらせ」が活躍している。

◆「000-0000」という番号はないから、最も小さい郵便番号は、「001-0000」だ。これは、札幌市の北区にある。

◆逆に最も大きい番号だが、「999-8531」というのを山形県飽海(あくみ)郡遊佐(ゆざ)町菅里(すがさと)に発見した。

◆主な超高層ビルに設定されている郵便番号は、5桁目まででビルの番号を表し、6桁目・7桁目でビルの階を表しているそうだ。東京の千代田区にある霞ヶ関ビルの36階なら「100-6036」、豊島区のサンシャイン60の60階なら「170-6060」だ。

◆おいおい、地下ならどうするんだ!
 霞ヶ関ビルの地下は、すべて「100-6090」で表されていた。地下はどうやら、6桁目・7桁目を「90」で表すようだ。90階以上のビルは、日本には存在しないということか。

◆1962年、世界に先がけて郵便番号制度を導入した国は、旧西ドイツ。

◆翌63年、アメリカも郵便番号制度を導入する。アメリカにおける郵便番号のことを、zip code(ジップコード)という。これは、Zone Inprovement Plan CODE(区域改善計画)の頭文字を取って生まれた言葉だ。

◆日本で郵便番号の使用が始まったのは、1968年のこと。

◆「それにしても、どうして2月2日からなんだ? 中途半端だな」
 と、一度は思ったが、よくよく考えてみてら、2月2日に納得できた。
1月に大量に交わされる年賀状を使って7桁を周知徹底させようとする手だ。本当ならすっきりと2月1日から切り替えたいところだが、この日は日曜日だから翌日の2日がスタート日になったというわけだ。もちろん、推測でしかないけど……。

◆企業や官庁など、郵便物をたくさん出すところは大変な作業になると思う。もちろん、個人のレベルで考えても、7桁に対応するのは大変だ。ただ、対応しようするから大変なのであって、大変がいやだったら対応しなければいいのだ。

◆郵政省の方では、郵便番号を書かなくてもしっかり届ますと言っているんだし、7桁が大儀だと思ったら、住所だけをきちんと書いて投函すればいい。(今までだって、郵便番号がわからないときは、書かずに出していた。)だから、今までと何ら変りないのだ。この部分では、郵政省の問題ではなく、投函する側の問題だと思う。あんまり真面目にならなくてもいいのではないか。

◆NTTのナンバー・ディスプレイのサービスは、2月1日から始まった。

◆差出人の書かれていない郵便物は失礼とされる――ということから考えると、電話の主が誰なのかを、電話に出る前に知ることは、至極当然のことのように思えるが、いかが。


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