★雑木話★
ぞうきばなし

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  ● 第百十一段 ●  二十四節気「春の部」

 季節を分けるから「
節分」だ。
 1年のうちには春夏秋冬の4つの季節があるのだから、節分も4回あるべきだ――と、思っていたらその通りだった。
 正しい意味での「節分」とは、それぞれの季節が終わる日、つまり立春、立夏、立秋、立冬の前日のことなのだ。
「おには〜そと、ふくは〜うち」
の行事は、今では、立春の前日である節分にしか行われていないようだが、本当は年に4回やるべきなのだ。中国の周の時代には季節ごとに行われていたそうだから、4回やってもかまわないのだ。
 それはさておき、この機会に二十四節気を覚えてしまおう。今年(2001年)の二十四節気は、以下のようになっている。

           小寒  1月 5日  大寒  1月20日

  立春  2月 4日  雨水  2月18日  啓蟄  3月 5日
  春分  3月20日  清明  4月 5日  穀雨  4月20日

  立夏  5月 5日  小満  5月21日  亡種  6月 5日
  夏至  6月21日  小暑  7月 7日  大暑  7月23日

  立秋  8月 7日  処暑  8月23日  白露  9月 7日
  秋分  9月23日  寒露 10月 8日  霜降 10月23日

  立冬 11月 7日  小雪 11月22日  大雪 12月 7日
  冬至 12月22日

 おかしなことに気がついた。どう考えても、計算が合わない。
 2001年は閏年ではないから、365日ある。正確には、1太陽年は365.2422日だから、これを24等分すると、

   365.2422÷24=15.2184……

 となる。どうしても整数にして各時期に配分する必要があるから、それぞれの二十四節気の間隔は、短くて15日、長くても16日のはずだ。ところがだ……、ぜひ実際にそれぞれの間隔を数えてほしい。

   立春( 2月 4日)から雨水( 2月18日)まで…………14日
   冬至(12月22日)から小寒(02年 1月 5日)まで……14日

 となっているのだ。計算では、14日なんて間隔が登場するはずがないのだ。実におかしい。
 さっそく、稲田君にきいてみた。
「な、おかしいだろ」
「確かにね。でも、正しいとも言える」
「えっ、どういうこと?」
「二十四節気の配分の方法には、2種類あるんだ」
 1年を24の期間に平等に配分する方法は「平気法」と呼ばれている。この方法だと、それぞれの期間は、確かに15日か16日になるはずで、先の計算で正解なのだ。
 しかし、中国の清の時代の「時憲暦」になって、黄道上を冬至点から始めて15度ずつ24等分する方法が採用された。これが、「定気法」だ。定気法だと、太陽が黄道上を15度ずつ進む日数は等しくなくなるのだが、実際の時候を示すことになり都合がいいのだ。
 でも、そのおかげで覚えにくい。覚えるのは、名前と順番だけにしよう。


【メモ】

◆『源氏物語』の「宿木(やどりぎ)」に、4月ついたち(陰暦)ごろの節分(せちぶん)といっているのは、立夏の前日である。

◆「鬼は外、福は内」の行事を、「鬼遣(やらい)」という。江戸時代には、春を迎える厄払いの行事として一般的になり、体を豆でなでて厄をうつしたり、年齢の数だけ豆を食べたりするようになった。

ヒイラギは葉が鋸状にとがっているので、「鬼の目突き」とよばれ、その先にイワシの頭(やきかがし)をさして戸口にかかげ、魔除けのまじないとした。

◆日本では、1844年から施行された天保暦が、この定気法に従っている。

◆1年を24の期間に等分するのだから、一つの期間に太陽は黄道を15度動くことになる。

◆しかし、太陽の黄道上の動きは、季節によって違いがある。たとえば、冬至から大寒までの30度には29日と10時間かかるのだが、夏至から大暑までの30度は31日と11時間かかる。

太陽年というのは、太陽が春分点を出発して、再び春分点に戻るまでの時間。それに対し、恒星年というのは、太陽が天球上を完全に1周する時間。これは、365.2564日。太陽年よりも少し長くなる。何だかよくわからないけど……。

◆「好青年」ならわかる。よい青年、まじめな青年の意味だ。天球上を1周することはないが、あまりにまじめすぎると、女性から一蹴される

◆では、さっそく二十四節気を覚えていこう。一度に全部だと大変だから、今回は「春の部」だけ。
 立春と春分はOKとして、その間にある雨水と啓蟄、さらに春分と立夏の間にある清明と穀雨を暗記すればよい。言葉の意味が分かった方が覚えやすいだろうから、すこしだけ解説。

■ 
雨水(うすい) ■
太陽の黄経が330度に達するときで、新暦では2月18日ころにあたる。「雪が雨に変わり、氷が融けて水になるころ」という意味。春の季語。

■ 
啓蟄(けいちつ) ■
太陽の黄経が345度に達するときで、新暦では3月5日ころにあたる。「気候が温かくなり、冬ごもりをしていた虫たちが外に出てくる時期」の意味。

■ 
清明(せいめい) ■
太陽の黄経が15度に達するときで、新暦では4月5日ころにあたる。「空気が清らかで明るい季節」という意味。

■ 
穀雨(こくう) ■
太陽の黄経が30度に達するときで、新暦では4月21日にあたる。「穀物の種を育てる恵みの雨が降るころ」という意味。

◆沖縄地方では、清明の日に、「清明祭」といって墓参りが行われる。

◆「国民の祝日に関する法律」の第2条[祝日の内容]には、
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日と定められている。

◆節気の名称は、2600年ぐらい前の中国の黄河流域の気候に合わせて付けられたもの。だから、日本の気候とは合わないこともある。

◆立春は、大抵の場合、とても寒い。だから、毎年、
「春といっても、それは暦の上だけのことで、まだまだ寒いですね」
と必ず聞く。
「まだまだ寒い日が続きますが、でも、立春ですよ」
と言われた方が、個人的には救われた気持ちになる。

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