★雑木話★
ぞうきばなし

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 ● 第百五十二段 ●  ぴったりの長さ

「持ってきたかい、杉野君」
「持ってきましたよ」
「では、杉野君から聞こう」
「いいですよ。では、まず最初に、このマッチ棒の
長さはどれくらいでしょう?」
「う〜ん、ごくふつうのマッチ棒だね。5pくらいかな?」
「おお、おみごと。よく使われているマッチ棒はだいたい5pなんだ」
「では、もう1問」
「官製はがきの横の長さは?」
「横って、短い方だね。え〜と、12pくらいかな?」
「そんなに長くないよ」
「えっ、12pないの?」
「ないね」
「じゃあ、どれくらい?」
「それが、ジャスト10cmなんだ」
「へぇ、すごいね」
「じゃあ、最後の問題。千円札の横の長さは、ぴったりだよ」
「縦の長さなら知ってるのにな〜」
「えっ、どうして?」
「この前測ったんだ。76mmだよ」
「中途半端な長さだね。横の長さは、ジャスト15cmなんだ」
「すごい、すごい。5p、10p、15pがそろったね」
「では、問題を聞きましょうか」
「う〜ん、杉野君の問題に比べると見劣りするな……。では、新品の鉛筆の長さはどれくらい?」
「20cmくらいかな?」
「そんなに長くないよ。17.5pなんだ」
「中途半端だね。ジャスト○○cmってのはないの?」

「困ったな〜。じゃあ、
新聞紙なんてどうかな。新聞紙の1ページの横の長さは40.6p、縦の長さは54.6pだよ」
「覚えにくいなぁ」
「だからね、新聞を大きく開いて、2ページ分で考えるんだ。すると、横の長さは81.2pとなる」
「やっぱり覚えにくいよ」
「その2ページ分の長方形の対角線の長さを考えるんだ」
「ほう、懐かしいね。『三平方の定理(ピタゴラスの定理)』を使うんだね」
「そうそう。その定理を使って計算すると、対角線の長さは、約97.8センチとなる」
「ジャストじゃないね」
「でも、使えるよ。約97.8pということは、これはもう、98cmと覚えておいていいだろう」
「そうか、1mよりもすこし短いってことだね。それなら十分に使えそうだ」
「だろ。でもね、一つ問題があるんだ」
「なに?」
「新聞紙を対角線で折るのって、かなりむずかしいんだ」


【メモ】

◆文豪アーネスト・ヘミングウェイは、新聞記者時代、ピーター・ジャクソンというペンネームを使っていた。

◆松本清張は、朝日新聞の広告部でデザインを担当した経歴を持っている。

◆映画『スーパーマン』で、主人公のクラーク・ケントの勤める新聞社は「デイリー・プラネット」。

◆1850年海難にあいアメリカ船に救助され渡米し、そのまま帰化。1864年横浜で「海外新聞」を発行した通称「ジョセフ・ヒコ」といえば、この人物は浜田彦蔵。

◆初めて登場したのは、1913年11月21日のアメリカの新聞だった。クロスワードの話です。

◆紀元前60年にシーザーによって発行された、世界最古の新聞といわれているのは、「アクタ・ディウルナ」。

◆日本で最初に認可されたスポーツ新聞は、日刊スポーツ。

◆ふつうの新聞の大きさの半分の新聞のことを「
タブロイド版」という。ふつうの新聞の大きさは、「ブランケット版」。

◆新聞社や週刊誌社が、時間節約のため、自体のなりゆきが見越されるできごとについて、事前に書いておく原稿のことを「予定稿」という。
 武蔵丸の横綱昇進なんて、予定稿ができあがっていたのではないかな?

◆普通の新聞で、第6面の裏は第5面。これでいいのかと考えてしまうが、これでいい。

◆新聞や雑誌などの用語をすこし。
 ちょうど真ん中にくる見開き2ページの広告は、「センター・スプレッド」。
 余白を埋めるための記事や原稿は、「埋め草」。
 囲み記事のことを「コラム」というが、もともとは「円柱」という意味。
 原稿の締め切り時間は、「デッドライン」。

◆新聞や雑誌などでスクープすることを「
スッパ抜く」というが、この「スッパ」とは忍者のこと。

◆新聞の「クーポン広告」では、割引率の限度は表示価格の50%まで。

◆占領下の日本で、GHQが新聞社に対して行った報道規制のことを「プレス・コード」という。

◆大丈夫だとは思うのですが、一応、「三平方の定理」の復習です。
 直角三角形の直角をはさむ2辺をa、b、斜辺をcとすると、次のことが成り立つ。
     2  2  2
    a +b =c

 なんて美しい定理なんでしょう!

◆小学校のとき、
正三角形の面積を求めたいと思ったことがあった。正三角形だから、一つの辺の長さがわかれば、すべての辺の長さがわかってしまう。つまり、辺の長さは3辺ともわかっているのだ。それなのに、小学生の身分では、面積を求めることができなかった。どうすれば高さがわかるのか? 中3になってやっと解決した。

                √3 2
◆1辺がacmの正三角形の面積は、――a 。
                 4

◆調べて見るもんです。なんと、「
センチメートル」という漢字があるのです。ついでに調べてみると、たくさん出てきました。

  竏……キロリットル
  立……リットル
  竕……デシリットル
  竰……センチリットル
  竓……ミリリットル

  粁……キロメートル
  米……メートル
  粉……デシメートル
  糎……センチメートル
  粍……ミリメートル

  瓲……トン
  瓩……キログラム
  瓦……グラム
  甅……センチグラム
  瓰……デシグラム
  瓱……ミリグラム


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