★雑木話★
ぞうきばなし

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 ● 第百七十五段 ●  緑のカーテンしましょ!

 夏は、植物の水やりが大変ですが、植物の成長がとても速く楽しみの多い季節でもあります。特に、つる植物の勢いにはいつも驚かされます。
 最近、「緑のカーテン」と呼ばれている、つる植物への関心が高まっています。学校や町の施設などで、ゴーヤやヘチマを植えているという話を新聞で読みました。それによると、実際、日よけの効果があり、室温が2〜3度下がるそうです。冷房費の節約にもなり、地球温暖化対策としても、有効かもしれません。
 つる植物は、ネットや支柱に茎やひげを巻き付けて伸びていきます。植物自身を支えるだけの茎の成長にエネルギーを使わなくてよい分、どんどん丈を伸
ばすことができるそうです。仕立て方により、さまざまな雰囲気を楽しむことができます。
 たとえば、アサガオ。
 アサガオを植木鉢の支柱に絡ませると、丸くコンパクトになります。
 以前、子どもが学校でアサガオを育てていて、種をプレゼントしてくれました。その種を大事にとっておき、植木鉢に播きました。双葉が出て、本葉が出た頃から、支柱を用意しないと大変なことになりました。どんどん伸びたつるの先が、道に迷うからです。支柱に絡んでいく様子は、見ていて楽しいものです。
 アサガオを地植えにして、大きなネットを用意すると上に上に伸びて「緑のカーテン」が簡単にできあがります。
 今年(2008年)は大輪のアサガオ(陽炎、美笠)の苗を植えました。キッチンの東側の出窓の格子に這わせる作戦です。プランターからフェンスまでは、麻のネットを張りました。
 はじめはなかなか伸びなかったつるが、いつの間にか麻のネットに絡み、フェンスにまで届くようになりました。そうなると「道に迷う」というよりも
「好き勝手」に我が道を進み始めました。つるの交通整理をしようと思ってもうまくいきません。脚立も必要になり、つるの誘引も面倒になってきました。朝日を遮るという目的はかなえられたので、水と液体肥料を忘れないことだけに気を配り、あとは、アサガオの気の向くままにしています。今では、ジャングルを思わせるほどになっています。
 支柱やネット以外にもアーチやオベリスクなどを利用して、アサガオを立体的に仕立てることもできます。いつも上から見ていた花を下から見上げるとま
た違った感じになるのも不思議です。いつかやってみようかなぁ……。

【メモ】

◆「クイーンネックレス」というつる性植物の苗を、今年(2008年)初めて植えました。メキシコ産で、和名は「あさひかづら」。植えたのは、白と赤を全
部で4本。これをダイニングの南の窓にはわせています。
 南の光はかなりきつく、暑さ対策もかねて早く「緑のカーテン」にならないかなと毎日水やりをしながら思います。
 今のところお行儀よくまっすぐに伸びているので、このまま枯れなければいつか窓のいちばん上まで届くでしょう。
 しかし、まだまだ成長が追いつかず、隙間だらけの寸足らずのため、光は部屋の中にサンサンと降り注ぎます。葉は下から伸びますし、日光は、上から降
り注ぎます。カーテンの代わりになるのは、いつのことでしょうか……。

◆「クイーンネックレス」という名前が素敵で、写真の花がとてもかわいかったので購入したのですが、現在のところ、花どころかつぼみすら見当たりませ
ん。
 ネットで調べると秋になったら咲き始めるということなので、しばらく待てば会えるのかなと思います。

◆かなり気の早い話ですが、来年はゴーヤやクレマチスもいいなあと、本やよその庭を見ながら考えています。

◆「カクテル」というつるバラを、大苗で4本、4年前にばら専門店の通信販売で買いました。
 バラに関する知識が中途半端なので、本が手放せません。
 冬には剪定、肥料入れ、花がら摘み、害虫の駆除などをしてきました。少し暖かくなる3月には、枝から芽が出てきて、5月の初めには花が咲き始めます。20日ほどたつとフェンス一面がカクテルの赤でおおいつくされます。香りもわずかながらあります。これまでのところ、毎年、うまく咲いてくれています。

――――――――――――※ここまで、由希子の文章

◆アサガオはヒルガオ科の植物だが、チョウセンアサガオはナス科の植物。

◆アサガオといえば、ラッパ型の花が特徴。花びらはくっついちゃっているが、おしべは5本ある。

◆『万葉集』に出て来るアサガオは、今でいうキキョウやムクゲ。

◆「牽牛星」といえば彦星、つまり、わし座のα星「アルタイル」のこと。「牽牛花」といえばアサガオのこと。
 だから、織女星(つまり、こと座のベガ)のことを、牽牛星の妻ということで「朝顔姫」と呼ぶことがある。

◆アサガオは、奈良時代にが中国から渡ってきた。初めの頃は種が下剤として使われていた。種は「牽牛子」と呼ばれていた。
 やがて、「牽牛子」も「アサガオ」と呼ばれるようになり、平安時代の中ごろには「アサガオ」といえば、種を指すほどだった。

◆日本で栽培されているアサガオは、大輪アサガオと変化アサガオに大別される。

◆文化・文政年間、嘉永・安政年間(1848〜60)に、変化アサガオが熱狂的に栽培された。文化年間の末には『花壇朝顔通』という書物が刊行されている。

◆1885年頃から1935年頃まで、変化アサガオ再びブームを迎えた。
 しかし、現在では変化咲きは大輪咲きに押されて、衰微の一途をたどり、少数の愛好家によってわずかに品種の保存がはかられているにすぎない。

◆嘉永・安政年間に、「団十郎」という濃柿茶のアサガオが登場。9代目市川団十郎が好んだ茶色ということで命名された。当時の大輪花の代表的なもので、現在でも作られている。
 茶色のアサガオをなんでもかんでも「団十郎」と呼ぶ傾向があるが、これは間違っている。「団十郎」という品種があるのだ。

◆東京の入谷はの朝顔市で有名。7月6〜8日に鬼子母神の境内で行われている。明治中期に始められたもので、一時中断していが、戦後に復活した。

◆「鉄のカーテン」という言葉を初めて使ったイギリス首相は、チャーチル。

◆第2次世界大戦を舞台としたジャック・ヒギンズの冒険小説『鷲は舞い降りた』で、誘拐のターゲットとなった人物はが、チャーチル。
 アメリカの名誉市民第1号となったのも、チャーチル。
 チャーチルは、ノーベル文学賞も受賞している。

◆チャーチルのトレードマークといえば、Vサイン。

◆終戦直前の1945年2月、ルーズベルト、チャーチル、スターリンの米英ソの3首脳が、ソ連のクリミヤ半島で会合している。このときの協定が、「ヤルタ
協定」。
 ポツダム会談に出席した3首脳は、スターリン、チャーチルとトルーマン。

◆「マンハッタン」というウィスキーとベルモットのカクテルがある。
 ニューヨークきっての美女で、ウィンストン・チャーチルの母となった女性が考案したといわれている。の名前を何というか?,

◆カーテンをあけたときにバンドでまとめることがあるが、あのバンドの名前、言えますか? 「タッセル」と言うらしい。カーテン屋で教えてもらった。
 たいていのタッセルは、カーテンと同じ生地で作られている。

◆『カーテン』という作品の中で、死んでしまった名探偵は、エルキュール・ポアロ。アガサ・クリスティが生み出した名探偵だ。

◆音楽会や演劇で、終演後に観客が拍手で出演者を舞台に呼び戻すのが、「カーテンコール」。呼び戻される方を、一度、やってみたい。


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