● 第百七十六段 ● ビスコッティを作りましょ!
お菓子は、誰かと一緒に「おいしいね」といいながら食べるのが好きです。「また作ってね」といわれるのも大好きです。
「これ、お店で買ったらいくらぐらいかな?」
と子どもに聞かれるのは照れくさいながらも、うれしいものです。
最近のヒット作品は、ビスコッティ、寒天プリン、バナナアイスクリームです。
今回は、ビスコッティについて紹介します。
みなさんは、「ビスコッティ」ってご存じですか? 直彦はそれを初めて食べるまで、「ビスコッティ」というお菓子を知らなかったそうです。
「ビスコッティ」は、イタリアのトスカーナ地方に伝わる焼き菓子です。「2度焼きしたパン」という意味です。カチカチに乾燥するまでオーブンで焼き上げたビスケットです。
「ビスコッティ」と言われて、私が思い浮かべる標準的なサイズは、3cm×12cm×1cmくらいかな。もちろん、お店によって、家庭によって、大きさは異なります。
本当に固いので、そのことを知らずに噛もうとすると、歯が痛くなるかもしれません。イタリアでは、朝食に食べることが多いそうです。カプチーノやカフェラテに浸して食べることもあるのでしょうか。
以前から市販のビスコッティは、よく食べていました。でも、わりといい値段がするお菓子なのです。そこで、「自分で作れないのかな?」と考えてみたわけです。
何冊かの本、ネットでの検索で調べてみると、ただ材料を混ぜ合わせて、あとは、オーブンに任せる――それだけでおいしいビスコッティができると書いてありました。
「作ろうと思い立ってからでき上がりまで1時間ぐらい」
ネットで見たその言葉で、作ることを決心しました。
私が作るビスコッティの材料は、ざっと、以下の通りです。【ビスコッティの材料】 約20個分
薄力粉 120g
全粒粉 120g
卵 2個
砂糖 90g
オリーブオイル 大さじ2
ベーキングパウダー 小さじ1
アーモンド 100gこれらを手で混ぜてまとめるだけです。簡単です。
まとまったらオーブンで一度焼き、取り出して1cm程度の厚さに切って、切り口を上に向けてまたオーブンで焼きます。これででき上がりです。本当に「2度焼き」するのです。「固いっ!」というぐらいの歯ごたえが家族には好評です。
この簡単な手順のお菓子が、市販のものと同じぐらいおいしいのです。材料費に電気代を合わせても、お店で買うよりずっと安価です。そのうえ甘さやトッピングを自由に替えられます。これが魅力です。私は、いつもプレーンな材料で作ることが多いですが、ココアやオレンジピール、レーズンなどを入れてもおいしいと思います。
いつもの倍の分量を作ることもあります。保存パックに乾燥剤とともに入れて、冷凍庫で保存します。毎日少しずつ(?)楽しみながらお茶の時間に食べます。乾燥したお菓子なので日持ちもするようです。我が家では、5日ほどでいつもなくなってしまいますが……。
先日は、友人が来たときにお茶うけに出しました。おいしいと言ってくれたのでレシピと材料の一部を渡しました。友人2人は、自宅で作って上手にできたと喜んでいました。
――――――――――――※ここまで、由希子の文章
【メモ】
◆「ビスコッティ」は、「ビスケット」と名前が似ている。
ビスケットの語源は、ラテン語の「ビス・コクトゥス(bis coctus)」。これは、「2回焼かれたもの」という意味。
◆アメリカで「ビスケット」というと柔らかい菓子パンのことを呼ぶそうだ。イギリスで「ビスケット」と呼ばれているのは、アメリカでは「クッキー」。
フランスでは「ビスキュイ」、ドイツでは「ビスキュイート」。
◆イギリスでは「クッキー」という言葉が使われないときいたことがある。
◆日本では、「ビスケット」と「クッキー」両方の名前が使われているが、これらは本来、同種のものを指すようだ。
ただ、手作り風の外観があり、糖分や脂肪分の合計が40%以上含まれているものを「クッキー」と呼ぶ――という決まりもあるらしい。
◆ビスコッティをカプチーノやカフェラテに浸して食べることもあるのでしょうか――という記述があったが、ネットで調べてみたら、やはり浸して食べているようだ。
英語では、飲み物に浸すことを「ダンク(dunk)」という言葉で表す。そう、あの「ダンク・シュート」の「ダンク」だ。
ダンクは、何だかお行儀が悪いような気もするのだが、諸外国では、そうでもなさそうですね。
◆グリコのクリームサンドビスケットといえば、「ビスコ」。
ビスコが初めて売り出されたのは、1933年(昭和8年)。そんなに昔だったとは、調べてみるまで知らなかった。
「ビスコ」という名前は、酵母入りビスケットを縮めた「コービス」に由来している。
◆現在の「ビスコ坊や」は、5代目。平成17年にリニューアルされた。
◆ビスコといえば、赤いパッケージが思い浮かぶが、今では小麦胚芽入りの「白ビスコ」もある。
◆さらにビスコの「ミニパック」では、クリームサンドだけではなく、はちみつりんご、チョコいちご、ミルクティ風味といった種類も販売されている。
◆2月28日は、「ビスケットの日」。「2回焼かれたもの」という意味だけでこの日が選ばれたのではない。
1855年、日本の文献に初めてビスケットが登場する。水戸藩士の医者である柴田方庵が『方庵日録』や『方庵雑話』の中でビスケットについて述べている。
彼はビスケットの保存性に注目。長崎に赴き、オランダ人からビスケットの作り方を教えてもらう。で、その作り方を書いた手紙を水戸藩に送ったのが、1855年2月28日。
◆ビスコッティにひっかけて、「2回」ということでちょっと集めてみた。
クリーブランドは、アメリカ史上初、2回大統領になっている。第22代と第24代大統領だ。
◆同じ耕地に対して、稲を1年に2回作付けすることを「二期作」という。
「二毛作」というのもあるが、こちらは1年の間に同じ耕地に2回別の種の作物を作付けすること。
◆鎌倉時代に元寇は2回襲来している。1274年が文永の役、1281年が弘安の役。
◆京都御所は1年に2回、一般に公開されている。今年(2008年)これから見に行こうという人は、11月12日から11月16日までの5日間にどうぞ。
◆柔道の国際ルールで「まいった」を表すとき、声が出せないときは、畳や体を2回以上たたくことになっている。
◆夏季オリンピックを2回開催した都市は3ヶ所ある。
パリ………………1900年 第2回大会、1924年 第8回大会
ロンドン…………1908年 第4回大会、1948年 第14回大会
ロサンゼルス……1932年 第10回大会、1984年 第23回大会
◆冬期オリンピックを2回開催した都市は3ヶ所ある。
サンモリッツ………1928年 第2回大会、1948年 第5回大会
レークプラシッド…1932年 第3回大会、1980年 第13回大会
インスブルック……1964年 第9回大会、1976年 第12回大会
◆サッカーのワールドカップを2回開催した国は3ヶ国ある。
イタリア……1934年 第2回大会、1990年 第14会大会
フランス……1938年 第3回大会、1998年 第16会大会
メキシコ……1970年 第9回大会、1986年 第13会大会
◆――なぁんて感じで「2回」を探していたら、やまほど見つかるので、あと2回にしておこう。
日本中央競馬会の天皇賞は、1年に2回行われる。春は京都競馬場(創設時は鳴尾競馬場)、秋は東京競馬場で行われている。
◆ある数を2回足しても、2回かけても答が同じになる。こんな数、思いつきますか? 2つありますよ。
答えは0と2。