★雑木話★
ぞうきばなし

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 ● 第百八十五段 ●  ボジョレーヌーボー解禁


 これまでも何度かワインに近づけないかと努力はした。
 でも、私にとっても、由希子にとっても、どうもワインは「苦い」のだ。
 「甘口」と表示されているワインはある。それにだまされて購入したことも何度もある。でも、やっぱり苦く感じる。
 最後まで飲めないワインは、料理に使われることになる。

 それでも、ボジョレーヌーボーが解禁される時期になると、試してみようかという気になる。結局、毎年、買わないのだけれど、気にはしているのだ。

 なぜだかわからないのだけど、ボジョレーヌーボーは、その発売に関して厳格なルールが存在している。

「それぞれの国の現地時間で11月の第3木曜日の未明の午前0時に一般への販売が解禁される」

 午前0時だからそんな時間に開いている店といえば、普通ならコンビニくらいのものだが、この日だけは特別でわざわざ店を開けている酒屋さんもあるらしい。

 ボジョレーヌーボーについては、日本はかなり盛り上がっている。世界のボジョレーヌーボーの半分近くを日本で消費するなんて噂も聞いたことがある。本当かな?

 全世界の大人がボジョレーヌーボーを早く飲みたいと願っているとして、最初にそれを手にすることができるのは、どこの国か? ちょっと気になりませんか?
 ま、簡単に言えば、世界で最初に日付が変わる国はどこかということになりますね。

 さて、どこなんでしょう?
 何にも調べないで、私の知識だけで思いつくのは、トンガ王国。この国の時間帯は、UTC+13。つまり、協定世界時よりも13時間早い。

 私の記憶に頼らないで、きちんと調べてみた。そうしたら、トンガよりも早く日付が変わる国があった。つまり、UTC+14 の国だ。

 それは、キリバス共和国。1995年1月1日に日付変更線をずらすというかなり大胆なことを実施。それ以来、世界で最も早く日付が変わる国となった。
 1995年といえば、もうずいぶん前のことなのだが、私は全然知らなかった。

 UTC+14 の国(地域)があと2つある。この2つが UTC+14 となったのは、最近のことだ。【メモ】で紹介することにする。

 では、その逆で、地球で最後に日付が変わる国ってどこなんだろう?


【メモ】

◆「このワインは、甘い!」
と感じたこともある。ドイツのアイスワインだ。これなら飲める。しかし、置いてある店が少ない。それに、値段が高い(1本で1万円以上するというわけではないけれど)。
 だいたい何が何でもワインを飲みたいと思っているわけではないから、その値段を見ると気が引けてしまう。

◆2012年の場合のボジョレーヌーボー解禁日は、11月15日。七五三の日だ。子どもは飲んではだめだけど……。

◆トンガの首都は、ヌクアロファ。

◆キリバスの首都は、タラワ。
 キリバスは33の環礁からなり、それらは赤道付近に350万平方キロメートルにも渡って散らばっている。むちゃくちゃ広い。
 ということは、排他的経済水域となるとそれ以上で、なんと世界第3位。

◆キリバスのカロリン島は、キリバスの中でもいちばん日付変更線に近いということで、いわば「世界で最も早く日付が変わる島」。観光客誘致のため、カロリン島は「ミレニアム島」と改名された。

◆UTC+13 と聞いて、「ちょっと待て!」と思った。UTC+13 が存在するの?
 UTC+13 ということは、協定世界時から13時間進んでいるということ。だったら、UTC−1 という選択もできるということだ。
 UTC−1 という方法をとらずに、UTC+13 を選択したということは、キリバス付近で日付変更線が折れ曲がっているということになる。

◆実際、地図を広げて、キリバス付近を見て欲しい。日付変更線が見事に折れ曲がっています。なるほど、勉強になった。

◆さて、UTC+14 に仲間入りしたのは、サモア(夏時間)とニュージーランド領のトケラウ。
 この2つの国(地域)は、2011年12月31日より、UTC−11 から国際日付変更線をまたいで UTC+14 に変更された。
 上の地図に、サモアとトケラウを発見することができるかな?

◆どうして、そういう変更をせねばならなかったのか?
 それは、近隣の国々との仕事の関係があるから。国を越えて仕事をするときに、こちらが平日でも相手国が休日になる場合がある。また、こちらが休日で相手国が平日という場合がある。
 サモアのトゥイラエパ・サイレレ・マリエレガオイ首相は、2011年現在の最大の貿易相手であるオーストラレーシアと取引する際に、日付変更線によって毎週2営業日が無駄になっていることを挙げている。

◆ん? 上の文面は、ウィキペディアを駆使して調べたのだが、「オーストラレーシア」って何だ? 「オーストラリア」の間違い?
 もうかなりの自信で、これは間違いだろうと思ったのだが、一応調べてみた。そしたら、「オーストラレーシア」なんて言葉があった。
 オーストラレーシア(または、オーストララシア、Australasia)は、かなり広い地域を示す言葉だった。オーストラリア大陸、ニュージーランド、ニューギニア島、およびその近海の諸島(インドネシアの領域を含む)を指す地域区分。
 1756年にシャルル・ド・ブロスという人がその著書の中で初めて使っていると言うから、
かなり古くからある言葉だった。

◆では、世界でいちばん遅くに日付が変わる国はどこか?
 調べてみたら、UTC-12 の地域があった。しかし、現在この地域に定住する住民はいない。

◆では UTC-11 は? ここには人が住んでいた。
 まず、アメリカ領サモア。ここには、人が住んでいる。2003年の人口は、約70,260人。 さらに、ミッドウェー島。アメリカ領の島だ。ここには駐在のために人がいる。
 最後に、ニウエ。ニュージーランドと自由連合関係にある小さな国だ。2006年の人口が1591人。
 ということで、世界で最後に日付が変わる「国」は、ニウエということになる。

◆今年(2012年)も、ボジョレーヌーボーを買わなかった。


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