★雑木話★
ぞうきばなし

トップページへ

前の段へ   ★雑木話★のリストへ   次の段へ


 ・ 第二十五段の一 ・  ウンニルクアジウム
   (この段は、第二十五段からの続きです)

 元素の名前については、IUPAP(国際純正および応用物理学連合)、IUPAC(国際純正および応用化学連合)、さらにACS(アメリカ化学会)で話し合いが持たれていたそうな。1994年には、一度、109番までの元素名が提案されたのだが、IUPACとACSの間で名前の不一致があり、議論を巻き起こしていた。
 そこで、IUPACは「それじゃこうしてはどうだろう」と、104番から109番までの元素名を発表している。これが1997年のこと。しかし、これで国際的に統一されたということではない。だから、依然として、中学校の教科書には、103番までしか掲載されないだろう。
 ちなみに、IUPACが提案した名前は、以下の通り。

   104 Rf ラザホルジウム  Rutherfordium
   105 Db ドブニウム    Dubnium
   106 Sg シーボーギウム  Seaborgium
   107 Bh ボーリウム    Bohrium
   108 Hs ハッシウム    Hassium
   109 Mt マイトネリウム  Meitnerium

 だいたい、これで落ち着くのであろう。
 ただ、110番以降については、暫定的元素記号として、数詞を用いた元素記号を用いることになる。第二十五段でも述べたように、ラテンあるいはギリシャ語系の数詞を組み合せて、名前を付けるのだ。
 こうなる。

   110 Uun ウンウンニリウム  Ununnilium
   111 Uuu ウンウンウニウム  Unununium
   112 Uub ウンウンビウム   Ununbium

 これで間違いないと思うが、98年度版の『理科年表』にあたってみると、110番以降の元素記号が、

  Unn Unu Unb

となっていた。

  Uun Uuu Uub

の間違いだろう。『理科年表』といえども、まだ、この表記になれていなかったのだろう。

 さて、最近では、

   114 Uuq ウンウンクアジウム  Ununquadium
   116 Uuh ウンウンヘキシウム  Ununhexium
   118 Uuo ウンウンオクチウム  Ununoctium

が、既に作られているそうだ。ただし、どれも半減期は非常に短いのだそうだ。それでいいのかな? 何だかむなしいな。

【メモ】

◆「元素発見の達人」と呼んでもいい人物がいる。アメリカの科学者
シーボーグ(1912〜)だ。
 彼は、94番のプルトニウムから102番のノーベリウムまでの元素を人工的に作った際の中心メンバーだった。他の業績とも合わせて、1951年のノーベル化学賞を受けている。

◆当然といえば当然だが、中国語では、元素を漢字で表記している。でも、周期表をみると「おお〜!」と感動してしまう。
下記から、リンクしているので、ぜひ、ご覧になってほしい。
http://homepage1.nifty.com/tadahiko/NANI/033-GENSO.HTML

◆103。
・103といえば、日本国憲法。条文が103条まである。大日本帝国憲法は、76条まで。

・大阪の
通天閣の高さは103m。ただし、これは2代目。初代の高さは75m、1912年にパリのエッフェル塔をモデルに建てられた。しかし、第2次世界大戦中に撤去され,1956年に現在の通天閣が再建された。
・主婦が、と言ったら問題があるかもしれない。夫婦のうちで、主にその家庭の経済を支える者以外がパートで働く場合、配偶者控除の対象になる。その場合、年収が103万円までなら、所得税が0円になる。
・1967(昭和42)から発行されている100円白銅貨(つまり、現在の100円玉!)には、、周囲にギザギザが刻まれている。このギザギザが何本あるかなんて、数えたことがないでしょう。お教えしましょう、全部で103本あります。
 ちなみに、同じ年から流通している50円白銅貨に刻まれているギザは、全部で120本。

◆104。
・NTTの電話番号案内は、104番に電話すればよい。

◆105。
・現在、NTTのテレホンカードは、50度数と105度数の2種類しかない。ICのなら320度数もある

◆106。
・日本国内でNTTのコレクトコールを申し込むときには、106番にダイヤルすればよい。

◆107。
・走っている新幹線に電話をかけようとするときには、107番。

◆108。
・『
水滸伝』は、108人の豪傑の活躍を描いた中国民衆文学の最高傑作だ。
 原作は元の施耐庵(したいあん)、編纂は明の羅貫中(らかんちゅう)とされている。
「水滸」とは、水辺のこと。北宋の末、梁山泊(りょうざんぱく)の水辺に集まった宋江(そうこう)を頭目とする実在の群盗にもとづく話だ。だから、『水滸伝』。
 梁山泊というのは、中国山東省西部にあった湖沢。当時ここは黄河の氾濫で人口も減少気味であったが、南北交通の要所であったことから、反体制の拠点としては打ってつけの場所だった。

・人間の煩悩は、108とされている。寺院では、大晦日の夜、煩悩を祓うために、午前0時の前後に煩悩と同じ数だけの鐘を衝く。これが、「除夜の鐘」。
 さて、その釣鐘には、イボイボのような突起がついているものがある。室町時代から江戸時代にかけてつくられた鐘の多くは、百八煩悩になぞらえて108個のイボイボを持つものがある。実は、このイボイボにもちゃんと名前がある。「
」という。
・イタリアのミラノにある大聖堂(ドゥオモ)は、世界一のゴシック建築と呼ばれ、最も高い所で108.5mにもなる。高さだけでなく、間口も広いので、その前に立つとかなり圧倒される。

◆109。

太陽の半径は地球の約109倍、696000q。しかし、実際にこんなに大きく見えるわけではない。次の段でも述べるが、地球と太陽はおよそ1億5000万kmも離れている。このため、実際には、50p話したところにある5円玉の穴くらいにしか見えない。
「えっ、もっと大きく見えるけど……」
という方は、太陽の偉大さゆえにそう思ってしまっているだけかもしれない。
 太陽の質量は、地球の332946倍で、1.9891×10^30kg。これは、「万有引力の法則」を使って計算することで求められる。我々の住んでいる地球をはじめ、太陽系の惑星は、太陽からの万有引力を受けて回っているので、その惑星の運動の様子を調べることで、太陽の質量が分かる仕組みになっているのだ。
 太陽の直径が地球のそれの109倍だということは、太陽の体積は、109の3乗倍、つまり約130万倍ということになる。
 こんなに大きいのに、質量は地球の約33万倍しかないのだから、太陽はその体積の割りには、重くないということが分かる。計算してみると、太陽の平均密度は1.41g/cm^3。これは、水の密度の約1.4倍、地球の密度のおよそ4分の1にあたる。地球の密度より小さいのだから、太陽は地球のような岩石からできている星ではないということが分かる。

◆110。

110番をダイヤルすると、警察につながる。だから、正式名称を「警察通報用電話」という。最近は、携帯電話からも110番につながるようになってきたのでありがたい。ただし、日本の110番に、アメリカから国際電話することはできない。しかし、アメリカからかけて、どうすんだ?
 ちなみに、中国の警察通報用電話の番号も110番。
・陸上のハードル競争で、成年男子の場合、最も短い距離は110m。この場合、ハードルの数は10台。400mハードルなら、ハードルは9台。

◆111。
・「川寿」といえば、111歳のお祝い。

◆112。
・あなたの体重が112ポンド(約51kg)以下なら、フライ級のボクサーになれるかもしれない。日本初の世界チャンピオンである白井義男は、フライ級のボクサーだった。
 アマチュアボクシングで最も軽いのは、体重が45kg以下のモスキート級。これは、高校生のみに適用される。

◆原子番号108番のウンニルオクチウムの元素記号は、Uno。
 これを見て、カードゲームの「
ウノ(UNO)」を思い出したのだけれど、なんと、このゲームに使われるカードの枚数が108枚。これは偶然か?


[感想が届いています] 


[このページの先頭に戻る]