・ 第四段の一 ・ 7分の1を小数で
(この段は、第四段からの続きです)
ある数xに対して、x分の1のことを「xの逆数」という。2の逆数といえば、2分の1のことだ。小数でいえば0.5。3の逆数を小数で表せば、
0.333333……
だ。無限小数になってしまうが、「3」がどこまでも続くだけなので、非常に暗記しやすい。
2の逆数 0.5
3の逆数 0.333333……
4の逆数 0.25
5の逆数 0.2
6の逆数 0.166666……
7の逆数 0.142857142857……
8の逆数 0.125
9の逆数 0.111111……
同様に、9の逆数も、覚えやすい。
6の逆数は、3の逆数の半分だから、暗算で計算できなくもない。困難なのは、これまた7の場合だ。7という数は、けっこうしちめんどくさい。
7分の1を小数で表すと、「142857」が循環していることが分かる。では、その覚え方を披露しよう。これは単なる暗記法であるので、なぜそうなるのだといわれても仕方がない。
(1)7を2倍して「14」。
(2)さらに2倍して、「28」
(3)さらに2倍して、1を加えて「57」
(注:この「1」は、当然7分の1の分子の「1」と覚えよう!)
(4)これを循環させると、
0.142857 142857 142857 ……
が得られる。
ちなみに、整数を7で割って、割り切れない場合には、必ず「142857」の並びがやってくる。試しにやってみるといい。
七不思議というくらいだから、7にはもっと不思議があるのんだろうな。
【メモ】
◆「無限小数」というのは、どこまでも終わりのない小数のこと。反対に、あるところで終わる小数は、「有限小数」
◆無限小数の中には、ある箇所から先は同じ数字の配列が繰り返されるというものがある。このような場合、「循環小数」と呼ばれる。
◆循環小数をまじめに表そうとすると、紙がいくらあっても足りない。だから、「……」でごまかすことになる。しかし、以下のような便利な記号もある。
.
0.3=0.333333……
. .
0.142857=0.142857 142857 142857 ……
◆循環小数は、必ず分数で表すことができる。たとえば、
0.147147147147147……
を、分数で表してみよう。
まず、上記の数をxとおく。
x=0.147147147147147…… ――(1)
この式の両辺を1000倍する。
1000x=147.147147147147147…… ――(2)
(2)式から(1)式を引くと、小数点以下の部分が消えて、うまくいく。
1000x=147.147147147147147……
−) x= 0.147147147147147……
――――――――――――――――――――
999x=147
となる。したがって、
147
x=――
999
◆もちろん、循環しない無限小数もある。いちばん身近な例が、小学校でも習っている円周率だ。
◆小学校で円周率を習ったときは、3.14だった。今度の指導要領では、あっさりと3になってしまうらしい。かなり大胆だなと思う。
◆循環しない無限小数は、分数で表すことができない。このような数を、「無理数」という。反対に、分数で表すことのできる数が、「有理数」。
◆「142857」は、まだまだ面白い。
142857× 1= 142857
142857× 2= 285714
142857× 3= 428571
142857× 4= 571428
142857× 5= 714285
142857× 6= 857142
(142857× 7= 999999)
142857× 8=1142856 → 1+142856=142857
142857× 9=1285713 → 1+285713=285714
142857×10=1428570 → 1+428570=428571
142857×15=2142855 → 2+142855=142857
142857×25=3571425 → 3+571425=571428
どこが面白いのかは、自分で考えること。
◆もう一つおまけ。
142+857=999